FDA:FY2024の医薬品品質に関する Annual Report

今回は、米国食品医薬品局(FDA)の組織である医薬品評価研究センター(CDER)の医薬品品質担当局(OPQ)が作成した
FY2024(2023年10月〜2024年9月)「医薬品品質の現状報告」を取り上げます。

ご存知の通りFDAは米国の政府機関で、米国内に流通する食品、医薬品、医療機器、化粧品等の品質と安全性を保証するために
国内外の製造施設を査察します。
米国に医薬品を輸出している企業は特に、FDAの動向を把握するうえでAnnual Reportを確認しておくことをお勧めします。
Report on the State of Pharmaceutical Quality | FDA
https://www.fda.gov/media/188153/download?attachment

ChatGPTにまとめてもらったFY2024 Annual Reportを以下にのせておきます。
日本の製造拠点に対するウォーニングレター等は出ていないはずなのですが、日本の医薬品の回収に関する記載があるため、
それものせておきます。
************************ FY2024 Annual Report ************************
1. 製造拠点の動向
・FY2024末時点で、世界4,619拠点がCDERサイトカタログに製造拠点として登録されており、その41%が米国内にある。
・FDAによるFY2024品質保証査察は972件で、FY2023より27%増加。海外査察も増加し、全体の62%以上が外国拠点である。
・米国、インド、中国、ドイツ、イタリア、フランスの拠点のCDERサイトカタログ掲載が大幅に増加している。
・査察の結果、世界全体で93%が「問題なし(NAI)」または「自主的改善(VAI)」評価を獲得している。
2. 製品の動向
・CDER製品カタログには以下を収録:
 -ANDA(ジェネリック):14,168件(前年比+4.4%)
 -NDA(新薬):3,625件(+0.9%)
 -BLA(バイオ医薬品):383件(+8.2%)、うちバイオシミラー63製品(前年比+47%)
 -OTCなど非申請品:140,119件(+6.7%)
・全体として製品数は前年比+6.3%。
3. 市販後品質欠陥(PQD)
・FY2024のPQD報告件数は16,837件(前年比-1.5%)。
・FAR(フィールドアラート)は3,515件(-7.5%)、BPDR(バイオ医薬品逸脱レポート)は409件(+17%)。
・消費者の苦情は325件(前年比-18.3%)と減少。
・自己投与型のBLA製品(例:注射デバイス併用薬)で報告件数が多い傾向。
4. 医薬品供給量報告(CARES法)
・2024年2月に最終ガイダンス施行。供給量報告率は改善傾向だが、OTC製品の報告率は依然低い。
・FDAは報告データを査察拠点選定や供給網分析に活用。
5. 輸入警告・回収・ウォーニングレター
・輸入警告:FY2024に75拠点追加。65%はOTC製造業者、25%は原薬製造業者。中国拠点が最多。
・回収:421製品と5年で最少。最多の理由は汚染(微生物、異物、交差混入等)。眼科用製剤の回収が突出。
・ウォーニングレター:105通発出と5年間で最多。特に中国・韓国拠点に対する§704(a)(4)記録要求への不備が目立つ。
6. 事例研究:ADHD治療薬
・スチムラント製剤では供給不足・回収・MedWatch報告増が顕著。
・非スチムラント製剤は安定した品質と供給を維持。
・FDAは供給網情報や品質シグナルを統合し、監視や是正措置を検討。
7. 品質確保への取り組み
・FDAのサンプリング・テスト(DQST)では、15製品(経口固形剤・ブリスター包装)を試験したが規格外なし。
・OPQは透明性あるデータ公開を継続し、将来的に供給網の強靭性向上と品質確保を目指す。
結論
FY2024は、FDAがコロナ後に査察活動を大幅に回復させ、特に海外拠点の監視を強化した年だった。回収件数は減少した
一方、原薬供給業者やOTC製造業者での不備が目立ち、ウォーニングレターや輸入警告が増加。FDAは供給網データと
品質シグナルを統合的に活用し、薬の安定供給と品質確保を強化する方向にある。


****************** FY2024 Annual Reportの日本関連トピック *******************
1. 日本の製造拠点数:123サイト(FY2024末時点)
・5年間(FY2020→FY2024)の変化:
 維持:108
 削除:24
 追加:18
 ネットチェンジ:-5%(主要国の中で減少傾向)。
2. 査察
・日本の拠点に対する査察件数は明記されていないが、FY2024の全体データでは、
・米国サイトの査察率:24%
・インド:中国:各30%以上
・日本は主要国だが、拠点数減少もあり、監視対象としては相対的に小規模な位置付け。
3. 回収
・FY2024の回収に関して、日本拠点が1%を占めると明記あり。
 -主に眼科用製剤や品質不良に関連した回収。
 -件数は少ないが、米国(48%)、インド(41%)に次いで名指しされている。
4. ウォーニングレター・輸入警告
・FY2024における 日本拠点へのウォーニングレターや輸入警告は具体的に記載なし。
・中国・韓国・インド・米国などと比較し、言及は少ない。
まとめ
・日本の製造拠点は 123サイト(世界全体の約2.7%) と主要国の中では中規模。
・この5年間で拠点数が減少しており、世界的には存在感が相対的に低下。
・FY2024の品質上の問題では 回収に一部関与(1%) と記録されているが、輸入警告やウォーニングレターに関する
記載はなし。
・米国・インド・中国が主要監視対象であるのに比べ、日本は 安定的だが縮小傾向という位置づけ。


****************************** 感想 ******************************
日本へのウォーニングレターや輸入警告はないはずですが、回収案件が発生していたことに驚きました。
この5年間で日本の製造拠点数が減少しており、”世界的には存在感が相対的に低下”という、ChatGPTの容赦ない
サマリに少々ショックを受けました。

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