FDA:インドの企業に対するデータ・インテグリティの不備を含む指摘 (WL:320-26-52)

今回は、米国食品医薬品局(FDA) がインドの医薬品製造業者に対して発したウォーニングレターを取り上げます。
このウォーニングレターの原文には、珍しく製造所の画像が添付されていて、なかなか興味深いです。
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言及び具体的な社名・品名等です。
出典: https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/patcos-cosmetics-pvt-ltd-718220-03122026

**************************** Warning Letter 320-26-52 概要 ***************************
2025年7月14日~7月18日のFDAによるインドの医薬品製造所の抜き打ち査察において、医薬品製造に関するCGMP違反がみつかり、
2026年3月12日付でウォーニングレターが発行されました。
■不衛生な環境
貴社は、XXに販売されているOTC医薬品XXを製造している。貴社の医薬品は、不衛生な状態で調製、包装、保管されていたので、FD&C Act
501(a)(2)(A)に基づき、不純物が混入されていると判断される。充填ラインを含む貴社の製造作業は、外部環境からの適切な隔離障壁がない
施設で行われている。具体的には、我々の査察官は、開放工程のラインがある空間と最終製品が保管されている空間内で、荷下ろし場所、
壊れた窓、製造エリアの不衛生なシンク、深刻な水害の影響のエビデンスを確認した。さらに査察官は以下のことを確認した。
・施設の1階外側の荷下ろし場所で充填、包装、XX製造作業が実施されている。このエリアは廃棄された配管で構成されていて、施設の外側
に通じる窓格子状の開口部が設けられている。
・壊れた窓により、開放工程XXラインが施設周辺の外部環境から保護されていない。
・製造エリア内のシンクを製造設備の洗浄用の水源として使用した。
貴社の施設の不衛生な状態は、XX製造作業の汚染から十分に保護するものではなかった。
貴社は回答の中で、製造再開前に、施設の洗浄と修理を実施すると述べた。修理の範囲、完了までの期間、修理の完了を記録した写真など、
その他の詳細な情報が一切提供されていなかったため、貴社の回答は不十分である。また、貴社は施設及び設備を清潔で衛生的な状態に
維持するのを怠ったことと、貴社のOTC医薬品に及ぼす潜在的な影響について、包括的な評価を行っていない。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:
・不衛生な状態が広範囲に及んでいることを踏まえた、施設を改善するための包括的な計画
・貴社が建物を害虫から守り、清潔で衛生的な状態を維持できることを示す詳細な手順
■GMP違反
●指摘1
貴社は、医薬品の製造、加工、包装、保管に使用される建物を良好な状態に維持することを怠った。(21 CFR 211.58)
<指摘1詳細>
貴社は、施設を良好な状態に維持することを怠った。2017年のFDAの査察で、我々査察官は、貴社施設が老朽化しており、施設及び
XXシステムに洪水被害があったことを確認した。我々の現在の査察結果は、2017年の査察結果と一致しており、施設の適切な修復と
維持管理がされていないことを示している。例えば、前述の不衛生な状態に加えて:
・貴社の施設の1階は、汚れた残留物で覆われた床と水害の影響があり、XX製造システムの適切なメンテナンスが行われていなかった。
・貴社の施設のXX階は、天井と壁の茶色の変色や、製品保管エリアの天井の緑のカビ状の残留物など、深刻な水害の跡が見られた。
貴社は現在米国向けにXX医薬品を製造していないが、製造ラインは、以前は米国向けのXXを製造するために使用され、現在、他の市場に
供給するために使用されている。
医薬品を潜在的な交叉汚染の経路から守るために、施設は良好な状態に保たれ、衛生状態を維持する必要がある。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:
・施設及び設備の定期的で綿密な運用管理監督を実施するための是正処置・予防処置(CAPA)の計画
この計画は、とりわけ、設備/施設の性能問題の迅速な検知、効果的な修理の実施、適切な予防保守スケジュールの遵守、設備/施設
インフラのタイムリな技術アップグレード、継続的なマネジメントレビュのためのシステムの改善を確実にするものでなければならない。
●指摘2
貴社は、医薬品の各成分の同一性を検証するための少なくとも1つの試験を実施することを怠った。(21 CFR 211.84(d)(1))
<指摘2詳細>
貴社は、XXの汚染に関し、入荷したハイリスクの成分の同一性試験を適切に実施することを繰り返し怠った。2023年12月15日付のFDA
ウォーニングレター320-24-13の704(a)(4)の記録請求に対する回答の中で、貴社はこれに限定されないが、OTC医薬品XXの製造に
使用されるXX溶液を含む、ハイリスクの各成分に関する規格を更新し、厳格で文書化された試験手順を保証することを約束した。最近の
査察で、我々は貴社の業務が、以下の通り、不適切な状態のままであることを確認した:
・貴社は、XX溶液の規格に関し、XXに関する不純物試験や同一性試験を必要としないインド薬局方(IP-XX)を引き続き使用していた。
・貴社は、ハイリスクの成分の各ロットについて、サンプリングが適切に文書化され、かつ、サンプリングが適切に出荷品を代表している
ことを保証するためのサンプリング手順を更新していなかった。
・貴社は、貴社のサードパーティのラボで使用されている同一性試験を実施するための方法は、バリデートも検証もされていないことを認めた。
貴社の回答は不十分であり、約束を履行していないことを示している。ウォーニングレター320-24-13に対する貴社の回答の中で、貴社は
試験を実施すると主張した。貴社の2025年8月の回答で、貴社は以前の約束を繰り返し、ICHガイドランを使用して全ての分析方法の
バリデーション/検証を開始し、USP準拠のXX試験プロトコルを採用するつもりであると述べている。貴社は、完了までの期間、文書化された
バリデーション方法、貴社のハイリスクの成分の品質を保証するためのサンプリング計画を含む最新の規格を提供していないので、貴社の
現在の回答は不十分である。
XXに汚染された成分の使用は、世界中の人々にさまざまな致命的な中毒事件を引き起こしてきた。XXにおいてXXの汚染のリスクの高い
成分を含む医薬品を製造する際のCGMP要件を満たす助けとして、FDAのガイダンス文書XXを見よ。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:
・この文書の日付から遅くとも30日以内に、医薬品の製造に使用されたハイリスクの医薬品成分の全てのロットの保管品の試験から得ら
れたXXの試験結果を提供するという約束
もしくは、成分のロットの保管品が使用できない場合は、XXの存在について、関係する最終医薬品の全てのロットの保管サンプルの試験を
実施せよ。
・XXの汚染のリスクがある成分(これに限らないが、XXを含む)を含む使用期限内の医薬品の完全なリスクアセスメント
XXを含む可能性のある成分と関連する医薬品の全てのロットの安全性を判断するために、顧客への通知や汚染されたロットの製品回収を
含む迅速で適切な措置を講じよ。これに限定されないが、全ての入荷した原材料のロットは、完全に適格性を評価された製造業者からの
もので、安全でない不純物を含んでいないことを保証することを含む、将来のサプライチェインを安全に保つための追加の適切なCAPAを
特定せよ。この文書への回答の中でこれらの措置の詳細を述べよ。
・同一性、濃度、品質、純度に関する全ての適切な規格への一致について、成分の各ロットをいかに試験するつもりかの記述
もし貴社が、濃度、品質、純度に関し、成分の各ロットについて試験する代わりに、供給者の試験成績書(COA)から得た結果を受け入れる
つもりであれば、初期のバリデーションと定期的な再バリデーションを通じて、供給者の試験結果の信頼性をいかに確実に検証するかに
ついて明記せよ。さらに、入荷した成分の各ロットについて少なくとも1つの特定の同一性試験を常に実施するという約束を含めよ。XXと、
その他のハイリスクの成分については、米国薬局方(USP)モノグラフのパートA, B, Cの実施が含まれることに注意せよ。
・製造に使用するための適合性を判断するために、ハイリスクの医薬品成分の入荷した各ロットの試験のために貴社が使用している化学
及び微生物学的品質管理の規格
・成分、容器、蓋の全ての供給者が適格性を評価されていて、原材料には適切な使用期限やリテスト日が付与されているかどうかを判断する
ための貴社の原材料システムの包括的で独立したレビュ
レビュでは、入荷した原材料の管理が不適切な成分、容器、蓋の使用を防ぐために適切かどうかも判断する必要がある。
●指摘3
貴社の医薬品が、それが持つと表示された同一性、濃度、品質、純度を持つことを保証するために設計された適切な文書化された製造手順
と工程管理を確立することを怠った。(21 CFR 211.100(a))
<指摘3詳細>
〇不十分なXXシステム
貴社は、OTC医薬品XXを製造するための成分としてXXを使用している。貴社は、システムが意図した使用に適した品質のXXを製造して
いることを保証するためにXX製造工程を適切にバリデートすることを怠った。さらに、我々査察官は、貴社のXXシステムにいくつかの
設計上の欠陥(例:ボールバルブ、多数のジョイントがあるXXチューブ、不十分なパイプの傾斜、ねじ込み継手、XXテープ)があり、適切に
保守されておらず、適切に消毒されていないことを確認した。さらに、貴社のXXシステムは、適切な化学及び微生物学的な品質基準を
満たすXXを一貫して製造することを保証するために十分に監視されていなかった。
貴社は回答の中で、XXシステムの改善は、通常の製造を再開する時に有効になると述べている。貴社はXXシステムの設計上の不備の修正、
微生物学的試験とXX試験の完了、XXシステムのバリデーションまたは消毒に関する具体的な期間を示していなかったので、貴社の回答は
不十分である。さらに、貴社は設計上の不備のあるXXシステムの、米国内で流通している使用期限内の医薬品に及ぼす潜在的な影響に
ついても言及していない。
XXは、用途に適したもので、定期的に試験されていなければならないXXである。貴社のXXシステムの継続的な管理状態を達成するため
に、貴社はXXと微生物レベルの定期的なモニタリングを実施し、システム内の汚染を特定する必要がある。
〇不十分なプロセスバリデーション
貴社は貴社のOTC医薬品を製造するために使用している工程をバリデートすることを怠った。査察中、貴社は、プロセスバリデーション
は実施されていなと認めた。さらに貴社は、2023年12月と2024年1月に試験された医薬品XXの8バッチに関する記録を提出したが、
それらの有効成分XXの含有量が非常に高かった(XX%からXX%)。貴社が製造工程を適切にバリデートすることを怠ったため、貴社の
最終製品がその規格を含む全ての品質特性を満たしているという保証が欠けている。
貴社は回答で、通常の製造が再開され次第、製造工程のバリデーションを実施すると述べている。貴社は貴社のプロセスバリデーション
の完了に関する文書や期限を提出せず、米国内で流通している使用期限内の製品の潜在的な影響に関する回顧的なアセスメントも検討
していないので、貴社の回答は不十分である。
プロセスバリデーションは、工程のライフサイクル全体を通して、工程の設計の妥当性と管理状態を評価するものである。製造工程の
各重要な段階は適切に設計され、投入原材料、工程内原料、最終製品の品質を保証する必要がある。工程の適格性評価は、ロット内の
ばらつきを評価し、初期の管理状態が確立しているかどうかを判断するためにロットを評価するような、重要工程の各段階の集中的な
モニタリングと試験を含む。
商用流通を開始する前に工程の適格性評価を完了することは不可欠である。その後、製品のライフサイクル全体を通して、安定した製造
作業を維持していることを保証するために、工程性能と製品品質の継続的で厳重な監視が必要である。FDAがプロセスバリデーション
の適切な要素と考える一般的な原則とアプローチについて、
FDAの業界向けガイダンスProcess Validation : General Principles and Practicesを見よ。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:
・貴社のXXシステムの設計、管理、メンテナンスに関する包括的で独立したアセスメント
・適切なXXシステムの設置、運用に関する徹底した改善計画
改善されたシステムの設計がXX、米国薬局方(USP)モノグラフ、規格、適切な微生物限度に従ったXXを一貫して製造することを保証
するための、堅牢で継続的な管理、メンテナンス、モニタリングのプログラムを含めよ。
・後者について、XXの微生物総数の限度が、貴社が製造する製品の意図された用途を考慮して適切であることを保証せよ。
・確認されたXXシステムの不具合が、現在米国内に流通しているか、または、使用期限内の全ての医薬品の全てのロットに及ぼす潜在的
な影響についての詳細なリスクアセスメント
リスクアセスメントに基づいて貴社が講じる、顧客への通知や製品回収などの措置について明記せよ。
・製品のライフサイクル全体を通して管理状態を保証するための貴社のバリデーションプログラムの詳細なサマリと、関連する手順
工程の性能適格性評価に関する貴社のプログラムと、管理状態を保証するためのロット内及びロット間の両方を継続的にモニタリング
するプログラムについて説明せよ。
・貴社が販売する各製品に関する工程の性能適格性評価を実施するタイムライン
・工程性能プロトコルと、装置及び施設の適格性評価に関する文書化された手順
・継続的な管理状態を保証するためのロット内及びロット間のばらつきの厳格なモニタリングを含む、貴社の各製造工程の設計、バリデー
ション、メンテナンス、管理、モニタリングに関する詳細なプログラム
また、貴社の装置と施設の適格性評価に関するプログラムも提出せよ。
●指摘4
貴社は適切な品質管理部門を制定することを怠り、品質管理部門に適用される責任及び手順は文書化されておらず、完全に遵守もされて
いなかった。 (21 CFR 211.22(a)&(d))
<指摘4詳細>
貴社が提出した記録と情報は、貴社の品質部門(QU)が貴社の医薬品製造作業の品質を監督するための責任を効果的に果たしていな
かったことを示している。具体的には、貴社のQUは以下のことを怠った:
・規格外の結果を隠蔽するためのオリジナルデータの意図的な改ざんを含む、試験データの適切な管理の徹底(21 CFR 211.194)
・ロットの製造指図記録が完全であることの保証(21 CFR 211.188)
・適切な規格、サンプリング計画、成分及び医薬品が同一性、濃度、品質、純度に関する適切な基準に確実に適合するための試験方法
の保証(21 CFR 211.160(b))
・医薬品の安定性を評価し、適切な保管条件と使用期限を決定するために安定性試験の結果を使用するために設計された、文書化された
試験プログラムの確立の保証(21 CFR 211.166(a))
貴社は回答の中で、製造再開時に是正処置を実施すると述べているが、施設全体にわたって提案したシステム的な変更を完全に実施する
ための能力には限界があることを認めている。貴社は作業を再開する前にCGMPを遵守するための提案された変更や約束を裏付ける文書
を提供していないので、貴社の回答は不十分である。さらに、貴社の回答は、我々の査察中に確認されたデータガバナンスにおける重大な
不備について言及していない。
この文書内の重大な指摘事項は、貴社がCGMPに準拠した効果的な品質システムを運用していないことを示している。貴社の製造及びラボ
の作業に対する効果的な管理監督に加えて、我々は貴社のQUが適切な権限を行使できず、その責任を十分に果たしていないことを確認
した。貴社の経営陣は、貴社のシステム、工程、製品がCGMPを満たしていることを保証するために、貴社の製造作業を直ちに包括的に評価
するべきである。
貴社の品質システムは不十分である。CGMP規制要件21 CFR Parts210, 211を満たすための品質システムとリスクマネジメントアプローチ
を実装する助けとして、FDAのガイダンス文書Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP Regulationsを見よ。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:
・QUが効果的に機能するために権限とリソースを与えられていることを保証するための包括的なアセスメントと改善の計画
 アセスメントは、これに限定されないが、以下のことも含むべきである:
 〇貴社で使用されている手順が安定していて適切かどうかの判断
 〇適切な手順の遵守を評価するための、貴社の作業全体のQUの監督に関する規定
 〇QUがロットの処遇を判断する前の、各ロットとそれに関連する情報の完全で最終的なレビュ
 〇全ての製品の同一性、濃度、品質、純度を保証するための、調査及びその他全てのQUの職務遂行の監督と承認
・貴社の安定性プログラムの適切性を保証するための包括的で独立したアセスメントとCAPAの計画
 貴社の改善プログラムには、これに限らないが、以下の事を含む必要がある:
 〇安定性を示す方法
 〇出荷許可前の、販売される密閉容器内の各医薬品の安定性の検証
 〇うたわれている使用期限が妥当かどうか判断するための、各製品の代表的なロットが毎年安定性プログラムに追加されるような継続的
なプログラム
 〇各ステーション(タイムポイント)で試験される特定の属性の詳細な定義
●受託業者としての責任
医薬品はCGMPに従って製造されなければならない。FDAは多くの医薬品製造業者が製造施設、試験機関、包装業者、ラベル貼付業者の
ような独立した受託業者を使用していることを認識している。FDAは受託業者を製造業者の延長とみなす。製品オーナーとの契約に関わらず、
貴社には、受託施設として貴社の製造する製品の品質に責任がある。貴社は、医薬品が安全性、同一性、濃度、品質、純度に関して、
FD&C Act 501(a)(2)(B)に従って製造されていることを保証する必要がある。
FDAのガイダンス文書Contract Manufacturing Arrangements for Drugs : Quality Agreementsを見よ。
●データ・インテグリティの改善
貴社の品質システムは、貴社が製造した医薬品の安全性、有効性、品質を裏付けるためのデータの正確性と完全性を適切に保証して
いない。CGMPに従ったデータ・インテグリティの手順を制定して遵守するガイダンスについては、
FDAのガイダンス文書Data Integrity and Compliance With Drug CGMPを見よ。
我々は、貴社の改善を支援するために、独立した第三者である適切なコンサルタントを雇うことを強く勧める。この文書の回答の中で、以下の
情報を提供せよ:
・データ記録及び報告における不正確な範囲の包括的な調査
〇詳細な調査手順と方法論;アセスメントの対象となる全ての試験、製造作業、システム、貴社が評価対象から除外する作業部分がある
場合はその理由
〇不正確なデータの性質、範囲、根本原因を特定するための、現在及び以前の従業員のインタビュ
  我々は、これらのインタビュは、適格な第三者によって実施されることを勧める。
〇貴社の施設におけるデータ・インテグリティの不備の範囲のアセスメント
  省略、変更、削除、記録の破壊、非同時の記録の完成、その他の不備を特定せよ。データ・インテグリティの欠落が発見された貴社施設の
作業の全ての部分について説明せよ。
〇試験及び製造におけるデータ・インテグリティの欠落の性質に関する包括的で回顧的な評価 
  我々は、潜在的な違反が特定された分野の専門知識を持った適格な第三者が、全てのデータ・インテグリティの欠如を評価することを
勧める。
・見つかった不備が貴社の医薬品の品質に与える潜在的な影響の現在のリスクアセスメント
貴社のアセスメントには、データ・インテグリティの欠如の影響を受けた医薬品のリリースにより引き起こされる患者へのリスクの分析と、
継続的な作業により引き起こされるリスクの分析を含めるべきである。
・全体的な是正処置・予防処置の計画の記述を含む、貴社の経営戦略
貴社の戦略には、以下の事を含む必要がある:
〇分析データ、製造記録、FDAに提出される全てのデータを含む貴社で生成する全てのデータの信頼性と網羅性をいかに保証するつもり
かについて述べた詳細な是正処置の計画
〇現在のアクションプランの範囲と深さが、調査とリスクアセスメントで見つかったものに見合っているというエビデンスを含む、貴社の
データ・インテグリティの欠落の根本原因の包括的な記述
  データ・インテグリティの欠落の責任を持つ個人が、貴社のCGMP関連データまたは医薬品申請データに影響を与えることが出来る
状態のままかどうかを示せ。
〇顧客への通知、製品回収、追加試験の実施、安定性を保証するために貴社の安定性プログラムへのロットの追加、医薬品申請アクション、
苦情のモニタリングの強化等、患者を守り、医薬品の品質を保証するために貴社がとった、またはとろうとしている暫定的な手段
〇貴社のデータの完全性を保証するために設計された、手順、プロセス、方法、管理、システム、管理監督、人的資源(例:トレーニング、職員
の改善)に対する改善の取り組みと強化について述べた長期的な手段
〇貴社がデータ・インテグリティの改善のプロトコルを実行した後、CAPAの効果を評価する助けをするために少なくとも2年間、広範囲
な年次照査を実施する適切なコンサルタントを雇うというコミットメント
〇データ・インテグリティの懸念を報告する従業員から匿名の苦情を受け取る権限を持ち、その権限で潜在的な違反を迅速に調査(必要
に応じて外部機関からの専門知識と共に、独立した品質保証の機能による)することを保証するチーフ・インテグリティ・オフィサを雇う
場合はFDAに通知せよ。
〇すでに進行中または完了した上記活動に関するステイタス・レポート
●CGMPコンサルタントの推奨
我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、貴社が米国市場向け製造作業を再開するつもりであれば、貴社は、貴社の作業を評価し、
貴社のCGMPの要件を満たすのを助けるために21 CFR 211.34に記載された適格性のあるコンサルタントを雇うべきである。適格性の
あるコンサルタントは、貴社がFDAと共に貴社のコンプライアンス状態の解決を達成しようとする前に、貴社の全ての作業を対象に、
CGMP遵守に関する6つのシステム(※)の包括的な監査も実施し、是正処置・予防処置の完了と効果を評価する必要がある。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを遵守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣には、継続的にCGMP遵守
を保証するために、全ての不備とシステムの欠陥を解決する責任が残る。
※6つのシステム:品質システム、設備&装置システム、原材料システム、製造システム、包装&ラベル貼付システム、試験管理システム
●結論
この文書で挙げた違反は、貴社の施設に存在する違反の包括的なリストではない。貴社には、調査して違反の原因を判断し、再発やその他
の違反の発生を防止する責任がある。
FDAは2023年11月17日に貴社から米国に輸入するために提供された全ての医薬品および医薬製品に対し輸入警告措置66-40を発し、
2023年7月12日付で送付された704(a)(4)記録請求への回答をレビュした後、2023年12月15日にFDAウォーニングレターを発行した。
貴社の回答は、貴社の医薬品に使用されるハイリスクな成分内のXXに関するCGMP違反を示していた。この前回のウォーニングレター
を受けて、貴社は、査察の準備が整っていて貴社が「現行のGMPの継続的な遵守」および「最高水準の遵守」していることを強調し、
施設を再登録した。
上記の査察結果は、貴社がCGMPの遵守や査察準備状況を表明しているが、貴社の非遵守をさらに明確に示している。
貴社への輸入警告措置66-40は継続している。
全ての違反を速やかに是正せよ。全ての違反に完全に対応され、我々が貴社のCGMPの遵守を確認するまで、FDAは貴社の医薬品製造
業者としての新薬の申請やリストの補完の承認を保留するだろう。また、我々は、貴社が全ての違反に対する是正処置を完了したことを
確認するために再査察を行うかもしれない。
***************************************************************************

今回のインドの製薬会社に対するウォーニングレターには、珍しく現場の写真が添付されていましたが、その画像はかなり強烈なものでした。
この会社は、現在は米国向けの医薬品は製造していませんが、米国以外の市場向けは現在も製造が行われているそうです。
FDAの査察がなかったら、この状況が知られることがなかったかもしれないと思うと、少し怖くなります。と同時に、現地査察の必要性を
あらためて感じました。
インドは低コストで医薬品を供給することを強みとしていますが、この先もずっと安全な医薬品を安定して供給できるよう、今回の画像のような
製造環境が改善されることを願わずにはいられません。

株式会社デジタルシナジー 
〒231-0062 神奈川県横浜市中区桜木町1丁目101番地1 クロスゲート7階 TEL 045-550-5425 (平日10:00~17:00)

URLをコピーしました!