EU GMPノンコンプライアンスレポート(2026.3~2026.6)

今回は、EUの規制当局のGMP査察に基づき2026年3月~2026年6月に発行されたノンコンプライアンスレポート
(Non-Compliance Report)11件を取り上げ、どんな点が指摘の対象になっているかを確認しようと思います。

EU GMPノンコンプライアンスレポートは、EUの当局による製造所の査察において、EU GMPに不適合と判断される
不備が見つかった場合に発行されるもので、3部構成になっています。
Part1に確認した当局の名前、製造業者の名前、製造所の住所等、Part2にノンコンプライアントな製造オペレー
ション、Part3にコンプライアンス違反の性質、EUの対策等が書かれています。
査察結果を報告するという点ではFDAのウォーニングレターと似ていますが、ウォーニングレターに比べて、指摘
の内容があまり詳しくありません。また、不備を、クリティカル(Critical)、メジャー(Major)、その他(Others)/軽微
(minor)に分類しているという特徴があります。
ここでは、Part3の中で指摘されている不備の内容をみていきたいと思います。
出典:https://eudragmdp.ema.europa.eu/inspections/gmpc/searchGMPNonCompliance.do
※一部の具体的な記述は、“XX”としてあります。

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■Report No: FT127/MH/001/2026/NCR■
ポルトガルの規制当局が2026年2月13日にインドの製造業者を査察して得た情報から、この製造業者はGMPの要件
に準拠していないとみなされ、2026年3月10日にノンコンプライアンスレポートが発行された。

●コンプライアンス違反の性質
査察の結果、EU GMPへの体系的な不遵守を示す、広範囲にわたるクリティカル及びメジャーな欠陥が明らかに
なった。錠剤製造の管理が不十分であることが確認された。圧縮装置の手動投入により、過剰な粉塵が発生し、工程
が中断され、製品の品質が損なわれる可能性があった。さらに、査察中は一次包装ラインを稼働させることができな
かった。液体製造の管理が不十分であることが確認された。ボトル充填および密封に使用される機器の管理が
不十分で、繰り返し停止やシロップのこぼれが発生していた。影響を受けた区域および手袋の洗浄が不十分で
あった。こぼれや停止の管理に関する手順書は存在しなかった。品質管理の不備が明らかになった。分析結果が欠落
しており、欧州薬局方(Ph. Eur.)の参照標準がなかった。飲料水の検査に関して、Ph. Eur.への不適切な参照が
あった。コンピュータ化システムの記録と機器の稼働状態の間の矛盾を含む、システムの記録と機器の状態の間に
矛盾が認められた。また、EU製品に対する分析方法の適用(社内方法とPh. Eur.方法)についても明確さが欠如して
いた。バリデーションの不備が確認された。原薬および最終製品に関するバリデーション試験は、他のインドのラボで
実施された。EU製品のプロセスバリデーションは不完全であり、製造の全段階を網羅するプロセスバリデーションは
実施されていなかった。データ・インテグリティの不備が確認された。記録と、当該組織が申告した情報との間に矛盾
が認められた。洗浄作業および原材料のトレーサビリティの文書化が不十分であった。ログブックが不完全または
矛盾していた。技術契約の不備が特定された。契約では、責任、試験の範囲、または下請けの条件が明確に定義されて
いなかった。MAH(製造販売業者)との契約も、EUの輸入およびPQR(製品品質照査)の要件に関して不完全で
あった。汚染および交差汚染の管理が不十分であることが観察された。汚染区域と清潔区域の間を裸足で移動する
など、ガウン着用手順が不十分だった。作業者が製品を不適切に取り扱っているのが観察された。一部の場所および
一部の作業者により、清潔区域と汚染区域の分離が不十分だった。分析結果がXXで承認される前にロットが承認
され、XXによる時期尚早のロットの承認が確認された。また、EU向け最終製品の湿度記録がなかったため、最終製品
の保管にも不備が確認された。全体として、これらの不備は、GMPの原則に対する深刻かつ体系的な違反であり、
製品の品質、汚染管理、データ・インテグリティ、作業の信頼性を損なうものである。これらの不備は、当該施設の
医薬品品質システムが、法令遵守と信頼性の高い製造作業を保証するために必要とされる管理、監督、および
ガバナンスを欠いていることを総合的に示している。不備の範囲と深刻度は、リスク管理における継続的な弱点と、
効果的な品質の監督の全体的な欠如を示しており、結果として、システムが管理された状態で運用されていない状態
となっている。
●規制当局によりとられた/提案された措置
〇供給の禁止
確認された不備に基づき、査察報告書が発行される予定である。GMPへの準拠が適切に回復されたかどうかを判断
するために、CAPAの計画の適切性と効果的な実施状況が、フォローアップ査察中に評価される予定である。
※追加コメントと同じ内容が記載されていました。
●追加コメント
確認された不備に基づき、査察報告書が発行される予定である。GMPへの準拠が適切に回復されたかどうかを判断
するために、CAPAの計画の適切性と効果的な実施状況が、フォローアップ査察中に評価される予定である。

■Report No: FT020/SA/002/2023/NCR■
ポルトガルの規制当局が2026年2月27日にインドの製造業者を査察して得た情報から、この製造業者はGMPの要件
に準拠していないとみなされ、2026年3月27日にノンコンプライアンスレポートが発行された。

●コンプライアンス違反の性質
2026年2月25日~27日にフォローアップ査察が実施され、前回の査察以降、是正処置が実施されたことを確認し、
メロペネム原薬の製造を担当する製造ユニットにおけるGMP遵守の現状を評価した。以前に確認された複数の
クリティカルな不備は是正されず、さらに追加のクリティカルな不備が観察されたため、原薬の品質が損なわれている
ことが総合的に示され、このノンコンプライアンスレポート(NCR)の発行につながった。
前回の査察で指摘されたクリティカルな不備は依然として存在していた。移動式LAF(PB/LAF23)の手袋の完全性
チェックは、時折確認が行われていることを示すビデオ証拠があるにもかかわらず、運用中に一貫して行われていな
かった。PB032室のLAFおよびRABSドアには劣化と破損が見られ、クリーンルームのグレード間の分離が確保され
ていなかった。さらに、グレードAとグレードB間の圧力差の監視は行われておらず、圧力計はブロワーからフィルタ
への圧力のみを測定していたため、この重要区域における適切な環境制御の証拠はなかった。
追加のクリティカルな不備が特定された。リスクアセスメントQRM/EU2/061/2025では、新しいRABSの設置と充填
ラインレイアウトの変更に伴うメロペネム原薬製造プロセスの再バリデーションの必要性を評価していなかった。
グレードA/Bエリアへの原材料および成分の移送は、追加の容器を回収するために移動式LAFが作業の途中で
取り外され、一方向かつ連続的なプロセスに従っていることが実証されておらず、これは当該企業の以前のCAPAで
の約束に反している。PB032の充填ラインのビンの洗浄は、密閉されていない非自動化プロセスを使用して室内で
行われ、余分な水はRABSの前に置かれたバケツに排出され、重大な汚染リスクをもたらしていた。
また、いくつかのメジャーな不備も特定された。変更管理は、以前に重要とみなされたものを含め、重要度に応じて
分類されていなかった。手順には、変更管理SOPや指紋アクセス承認を規定するSOPなど、定義、責任、および操作
手順に関する明確さが欠けていた。リスクアセスメントでは、バッチ製造記録の更新が必要かどうかを明確に判断
されていなかった。品質管理では、完全かつ最新の分析者資格マトリックスが利用できなかった。 LIMSで1人の
分析者に割り当てられた分析が別の分析者によって実施されており、作業割り当ての不遵守を示していた。QCログ
ブックにはトレーサビリティと時系列な文書化が欠けており、主要な活動の監査証跡が欠落していた。機器の状態
識別はLIMSの記録と一致しておらず、校正の責任が定義された手順と一致していなかった。微生物試験室では、
環境モニタリングのサンプルが適時に提供されず、インキュベーター内の重要な温度モニタリングポイントが確認
されていなかった。技術エリアとユーティリティのメンテナンスが不十分だった。交換用フィルタは破損した汚れた
箱に保管されていた;AHU28に関連するダクトと断熱材は劣化していた;プレフィルタ洗浄ステーションと
RO水パイプには汚れと腐食が見られた;PB32に供給するAHU028内のプレフィルタは、洗浄記録があるにも
かかわらず汚れているように見えた。
全体として、未解決のクリティカルな不備が継続していることと、新たに特定されたクリティカルな問題とメジャーな
問題が相まって、無菌原薬製造に必要なレベルの管理を確保できていないことを示している。これらの不備は、この
工場で製造されるメロペネム原薬の品質を損なうものであり、このNCRの発行を正当化するものである。
●規制当局によりとられた/提案された措置
〇供給の禁止
確認された不備の数と深刻度から、XX第2工場で製造されたメロペネム原薬を含む最終製品の供給は禁止される
べきである。ポルトガルは、この工場で製造されたメロペネム原薬を含む全ての医薬品のロットについて、回収を
進めるために、完全な確認を実施する予定である。
●追加コメント
査察報告書が作成され、関係企業に送付された。監督リスクアセスメントのドラフトは、各国監査当局(NCA)からの
コメントを募るため、迅速アラートネットワークを通じて配布され、回答期限は2026年3月20日に設定された。回答は
得られなかったため、監督リスクアセスメント及びノンコンプライアンスステートメントならびに勧告が実施される
予定である。

■Report No: NL/H 25/2058195■
オランダの規制当局が2025年12月31日にインドの製造業者を査察して得た情報から、この製造業者はGMPの要件
に準拠していないとみなされ、2026年3月30日にノンコンプライアンスレポートが発行された。

●コンプライアンス違反の性質
クリティカルな所見 #1: プロセスのバリデート済みステータスに影響を与える重大な逸脱の影響評価が、十分かつ
タイムリに実施されていない。市場に出回っているロットへの影響が十分に評価されていない。これは、EUで販売
されている評価対象製品 57 のうち 13 で確認された。具体的には、アトルバスタチン錠、イソトレチノインカプセル、
オランザピン錠、カンデサルタン錠、レベチラセタム錠、エソメプラゾールカプセル、エソメプラゾール錠、グリクラジド
錠、パントプラゾール錠、ペリンドプリル錠、ラミプリル錠、ロスバスタチン錠、バルサルタン錠である。
クリティカルな所見 #2: EU のバッチリリースサイトおよび EU 当局に製品の品質関連の重大な問題を伝達する程度
が不十分である。 EU品質担当者(EU QP)の、進行中の調査、不合格、OOS/OOTの結果、およびEU製品の品質に
影響を与える可能性のあるその他の通知への関与は不十分である。製品評価報告書へのEU QPの関与は証明でき
なかった。EU QPの関与は、回収時のみに確認された。
●規制当局によりとられた/提案された措置
〇現在有効なGMP証明XXの取り消し
オランダ医療・青年保健監督局(IGJ)は、査察報告書の最終化に伴い、新たなGMP証明書を発行せず、不適合通知書
を発行する意向である。この決定案は、IGJから査察報告書案を受け取った時点で会社に通知された。この決定に
より、2023年10月の前回の査察に基づいて以前に付与された現在のGMP証明書はEudraGMDPから取り消される。
2つ目のクリティカルな指摘事項のため、IGJは部分的なGMP証明書の発行オプションに従わないことを決定した。
不備に対処するための会社の行動計画に基づいて再査察が実施される予定である。(現時点ではまだ予定されて
いない)。再査察の結果が良好であれば、新しいGMP証明書が発行され、この不適合通知書は取り消される。
〇既に出荷されたロットの回収

現在、IGJはオランダ市場にとって重要とみなされる製品に関する評価を待っている。同時に、IGJは製造販売業者
(MAH)による継続的なロット認証に関する影響アセスメントも待っている。そのため、現時点では、クリティカルな発見
に基づき回収が必要かどうかを判断するための全ての情報が揃っているわけではない。IGJは、最初のクリティカル
な発見の対象となる13製品についてのみ市場措置を検討している。各加盟国は、サイトに掲載されている製品リスト
に基づき、自国市場にとって重要とみなされる医薬品を特定するよう求められている。IGJが必要な市場措置を決定
した場合、別途迅速な警告が発令される。
●追加コメント
該当なし

■Report No: 530-10/26-06/04; 381-13-08/310-26-06■
クロアチアの規制当局が2026年3月13日にインドの製造業者を査察して得た情報から、この製造業者はGMPの要件
に準拠していないとみなされ、2026年4月17日にノンコンプライアンスレポートが発行された。

●コンプライアンス違反の性質
現地査察により、クリティカルな不備が3件、メジャーな不備が12件、その他の不備が2件確認された。
クリティカルな不備は以下の通りである:
1.製造業者は、滅菌混合物の調製、滅菌出発原料のサンプリングおよび分注に関連する無菌操作中に、クリティカル
ゾーン(グレードA)での直接的な人的介入に伴う汚染のリスクを最小限に抑えることができなかった。直接的な人的
介入は、RLAF(逆層流)の下でバリアシステムなしに行われている。オペレータの無菌技術/行動も要件に合致して
いないことが判明した。
2.製造業者は、適切な無菌技術と従業員の行動を実装しておらず、グレードA/B製造エリアで使用される消毒剤と
衣服の無菌性を保証していなかった。
3.医薬品品質システムが正しく実装されていなかった。全ての逸脱を個別にまたはまとめて適切に監視、記録、調査
する品質管理の欠如は、製品の品質に影響を与える。査察ツアー中に観察された複数の製造の逸脱は査察官が
担当者に問題を伝えるまで対処されておらず、査察チームは、全ての製造の逸脱が報告、評価、調査され、結論が
記録されることを保証することに関する不備を確認した。
メジャーな不備は、次の分野で見つかった:
全ての生産ラインにわたるクリーンエリアへの資材の搬入/搬出、製造エリアの設計とベータラクタム生産における
交差汚染に関連するリスク、汚染管理戦略(CCS)、無菌介入および無菌プロセスシミュレーションの手順、生産施設
の清潔さとメンテナンス、不適切なガウン着用と従業員の貧弱な衛生実務、クリーン生産エリアの施設と設備と
メンテナンス、目視検査と容器の密閉性試験、品質管理、適格性評価とバリデーション、文書管理、および
コンピュータ化システム。
●規制当局によりとられた/提案された措置
〇現在有効なGMP証明XXの取り消し
現在有効な証明書XX、XXは取り消される予定である。
〇販売承認の停止
加盟国は、当該施設が最終製品製造施設として記載されている販売承認申請/販売承認の変更申請について、
ノンコンプライアンスステートメントが有効である限り、承認しないことを検討すべきである。
〇既に出荷されたロットの回収
潜在的な品質の欠陥が、影響を受ける加盟国において、供給制限よりも公衆衛生に重大な影響を与える場合、医薬品
の回収を検討すべきである。
〇供給の禁止
GMPの原則およびガイドラインに対する不適合に関する最終のノンコンプライアンスステートメントが発行された
後、その有効期間中は、当該施設からの輸入および/または供給の禁止を検討すべきである。

■Report No: 530-10/26-06/03; 381-13-08/366-26-06■
クロアチアの規制当局が2026年3月13日にインドの製造業者を査察して得た情報から、この製造業者はGMPの要件
に準拠していないとみなされ、2026年4月17日にノンコンプライアンスレポートが発行された。

●コンプライアンス違反の性質
現地査察により、7件のクリティカルな不備と9件のメジャーな不備が確認された。
クリティカルな不備は以下のとおりである:
1.医薬品品質システムは、逸脱管理の不備や、リスク管理およびリスクに基づく意思決定の効果的な実施の欠如が
示すように、無菌製品製造の特定の要件を効果的に網羅していない。
2.製造活動の観察および選択された煙試験のレビュ中に、介入がしばしば不適切に設計されており、無菌技術、
作業者の資格、訓練、行動、および実務の多くの場合、EU GMP Annex 1の要件に準拠していないことが確認
された。
3.製造業者は、査察中に要求された文書を迅速かつ透明性をもって提供しなかった。文書の真正性と管理に懸念が
あり、記録が帰属可能で同時期に作成されたという保証が不十分である。
4.施設および機器の設計(適切なバリアシステムの欠如を含む)、消毒剤の取り扱い、衣類の洗濯手順、APS(無菌
プロセスシミュレーション)中の全てのプロセスのカバー、洗浄バリデーションのマトリックスからの製品の省略、
気流可視化検証の不適切な設計、およびアンプルのCCIT(容器完全性試験)のバリデーション済み手順に欠陥が
認められた。
5.ディスペンシング、サンプリング、および混合のための不適切な機器およびプロセス設計、ならびに滅菌粉末の
取り扱いに関連する手動介入の不適切な設計。
6.不適切な原材料の移送経路およびプロセス。
7.不適切な OOS 調査。
メジャーな不備は、以下に関連するものである:医薬品品質システム、衛生及び衛生的な実務、施設および機器、
製造、品質管理、適格性評価およびバリデーション、無菌プロセスシミュレーション(培地充填)、洗浄バリデーション
および洗浄の実務、コンピュータ化システム。
●規制当局によりとられた/提案された措置
〇現在有効なGMP証明XXの取り消し
現在有効な証明書XX、XXは取り消される予定である。
〇販売承認の停止
加盟国は、当該施設が最終製品製造施設として記載されている販売承認申請/販売承認の変更申請について、
ノンコンプライアンスステートメントが有効である限り、承認しないことを検討すべきである。
〇既に出荷されたロットの回収
潜在的な品質の欠陥が、影響を受ける加盟国において、供給制限よりも公衆衛生に重大な影響を与える場合、
医薬品の回収を検討すべきである。
〇供給の禁止
GMPの原則およびガイドラインに対する不適合に関する最終のノンコンプライアンスステートメントが発行された
後、その有効期間中は、当該施設からの輸入および/または供給の禁止を検討すべきである。

■Report No: V2059716 2026-3158557■
オランダの所轄官庁が2025年12月4日にオランダの製造業者を査察して得た情報から、この製造業者はGMPの要件
に準拠していないとみなされ、2026年4月21日にノンコンプライアンスレポートが発行された。

●コンプライアンス違反の性質
2025年12月2日、3 日、4 日に、当該施設のGMP再査察が実施された。クリティカルな不備3件、メジャーな不備2件、
その他の不備16件が確認された。
クリティカルな不備3件は、以下の事項に関するものである。
1.ユニットA(A 棟)において、精製水(PW)の水質が、精製水の微生物汚染(<100 CFU/ml)に関する仕様を満たして
おらず、動物の安全および公衆衛生にリスクをもたらしている。精製水は、欧州薬局方の要件にあった微生物が
含まれる場合があるが、XX社は、設置時および使用時点(ろ過前)の両方で、繰り返し基準値の超過を測定している。
この精製水は、ユニットAで製造される非滅菌動物用医薬品、ユニットAで製造される全ての動物用医薬品の
製品接触材料の洗浄、およびユニットAのWFI(注射用水)設備の原水として使用されている。
2.XX社は、ユニットB(B棟)で無菌調製製品を製造しているが、環境およびプロセス監視(職員の監視を含む)データ
は、EU GMPのAnnex 1に定められた限度を体系的に満たしていない。これは、微生物、粒子、およびエンドトキシン/
発熱物質による製品汚染のリスクが十分に最小限に抑えられていないことを意味する。動物用医薬品の品質は十分
に保証されておらず、動物の安全と公衆衛生にリスクをもたらす。前回の査察で同じ問題が指摘されて以来、QPは
製品の最終充填ポイント付近の最も重要な場所で汚染が見つかった4つのバッチをリリースした(充填針の隣の
沈降板で3回、A室のターンテーブルで1回)。充填針のすぐ近くの沈降板で見つかった汚染は、製品が汚染された
可能性があるというリスクをもたらす。充填後に滅菌ステップは行われない。基準値の超過はリリース時に明らかに
考慮されておらず、したがって、EU GMPのAnnex 16および会社独自の手順に従って行われていない。
3.モニタリング、リリース、および安定性試験中の動物用医薬品の品質管理中に見つかった異常な結果を無視する
ことが、XX社の標準的な業務になっている。これは、動物福祉と公衆衛生にリスクをもたらす。それをすることで、
XX社は自社のOOS手順に従わず、OOSを顧客に報告するという契約上の合意を遵守していない。異常な結果の
原因は調査されず、また何の措置も講じられていない。
●規制当局によりとられた/提案された措置
〇現在有効なGMP証明XXの取り消し
所轄官庁は、2025年12月のオランダ査察局による査察でGMP不適合と判断されたため、新たなGMP証明書を
発行していない。この決定は、2026年4月14日付の公式決定書により当該企業に通知されている。この決定に基づき、
オランダ規制当局(NCA)はEudraGMDP上でノンコンプライアンスステートメントを発行し、2023年12月の査察で
適合と判定された現行のGMP証明書はEudraGMDPから削除される予定である。
〇既に出荷されたロットの回収
オランダの所轄官庁(NL)は、精製水(PW)を用いてユニットAで製造され、既に市場に出荷・流通している完成品の
ロットを回収する必要はないと判断した。不適合によるリスクは、いくつかの要因によって十分に限定されていると
判断され、その第一に防腐剤が挙げられる。製品には、殺菌作用のあるメチルヒドロキシベンゾエートとパラヒドロ
キシベンゾエート、または静菌作用のある安息香酸ナトリウムが含まれている。クリンダマイシンを含む製品は、殺菌
作用と静菌作用の両方を有している。さらに、対象となる製品はすべて経口用であり、胃酸が追加の化学的バリアと
して機能する。最後に、対象製品の保管中に微生物による汚染の可能性は増加しないため、微生物による有効成分
の分解は起こらないと予想され、動物用医薬品の有効性への影響は極めて低いと考えられる。ユニットBで製造
された無菌動物用医薬品(VMP)のロットについては、バッチ-レベルでのP(プロセス モニタリング、職員モニタリング
を含む)の評価に基づいて、NLが特定のロットに対するクラスIIIの回収指示を発行する。オランダ市場向けにリリース
され、オランダ市場にとって重要ではないとみなされるロットのみが回収される。合計で、これは2つのロットになる。
他の加盟国については、回収の決定は、VMPの重要度と会社から提供された影響評価に基づいて、それぞれの規制
当局によって行われる必要がある。OOSが報告されたロットについては、NLは現時点では、再試験済みロットと
未再試験ロットの影響評価に基づいて回収を発行していない。NLは、会社から提供された根拠に同意する。
しかしながら、現時点では、NLは進行中の安定性試験におけるOOS結果の影響評価を待っている状況であり、その
評価では、関連するMAHに対して講じられた措置、または必要とされる(市場)措置についてもXX社が評価する予定
である。当該企業はこの情報をできるだけ早く(遅くとも2026年4月30日までに)我々に提供する予定である。これに
基づき、NLはこれらのロットに関する市場措置の可能性について最終決定を下す予定である。
〇その他
重要製品:現時点で、NLはオランダ市場にとって最も重要となる可能性が高い製品のリストを特定しており、この
リストは既に当該企業と共有されている。このリストは、次の原則に基づいて作成された。
– 製品の市場シェアが20%未満の場合、その製品は重要ではない。
– 製品の市場シェアが20%超70%未満の場合、次の要因に応じて、その製品は重要となる可能性がある。
 o その製品は毎日処方/使用されているか?
 o XX社が製造していない、許容可能な(*)代替品はいくつあるか? 3つを超える場合、その製品は一般的に重要
とはみなされない。
– 製品の市場シェアが70%を超える場合、その製品は重要である。
(*)場合によっては、他の濃度または他の対象種の製品が許容されることがある。
現時点でオランダ所轄官庁が全ての必要な情報を把握しているわけではないため、リストは変更される可能性が
あることに留意せよ。各加盟国は、自国の市場にとってどの製品が重要かを判断しなければならない。回収や
製品出荷の制限に関する決定は、市場での潜在的な不足につながり、特定の症状に対して動物が適時に治療を
受けられなくなる可能性があるためである。NCAとして、我々は、製品が加盟国にとって重要とみなされる場合、
製造プロセスがGMP要件を満たしておらず、製品が動物および公衆衛生に潜在的なリスクをもたらす可能性が
ある場合でも、リスクベースの分析に基づいてQPがその特定の市場向けに製品を出荷する可能性があることを
強調する。その理由は、重要な製品の代替品が入手できない、つまり動物患者を治療できないことは、不適合の
調査結果に基づいて製造された製品を治療に使用することを許可するよりも、公衆衛生と動物の健康、動物福祉、
動物の生存に対してより大きなリスクをもたらす可能性があるためである。上記で挙げられた重大な欠陥を特定
した後、オランダ食品消費者製品安全局は、オランダ医療・青年保健監督局と合意の上、行政措置によって
ユニットAでのPWの使用を直ちに停止した。微生物汚染水を使用した動物用医薬品の製造は、
EU規則2019/6第93条(1)(j)に違反する。動物および公衆衛生への潜在的な危険を回避するため、既に行政措置
が講じられている。この行政措置により、ユニットAの水ユニットからの水の使用は直ちに停止され、会社が適切な
措置を講じ、オランダの査察機関の承認を得るまで停止されたままとなる。ユニットAからのPWの使用停止は、
この水を使用する製造活動と洗浄活動の両方に適用される。この行政措置は現在も有効である。この措置は、
XX社が計画(CAPAの計画)および実施を通じて、水の汚染リスクが排除されたことを証明した場合にのみ解除
できる。オランダ食品消費者製品安全局が課した措置を解除するには、オランダ医療・青年保健監督局(IGJ)に
よる評価が必要である。
●追加コメント
オランダ規制当局(NCA)は、重要製品の製造を可能にするため、製造業者の認可に関する措置を講じる予定は
ない。査察結果および詳細については、監督リスクアセスメント(SRA)を見よ。

■Report No: NNGYK/34812-5/2026■
ハンガリーの所轄官庁が2026年3月18日にインドの製造業者を査察して得た情報から、この製造業者はGMPの
要件に準拠していないとみなされ、2026年5月4日にノンコンプライアンスレポートが発行された。

●コンプライアンス違反の性質
EDQMの査察プログラムの一環として製造拠点を査察した結果、クリティカル及びメジャーなGMP違反が複数確認
された。これには、品質管理の監督、データ・インテグリティ、原材料の管理、装置の洗浄と保守、および施設状況の
重大な不備が含まれる。これらの違反は、効果的な品質システムの欠如と、GMP関連作業に対する管理の不備を
示している。クリティカルなデータ・インテグリティの問題が確認され、製造および品質管理データの信頼性が
損なわれている。これらの不備は体系的な性質を持つため、当該拠点で製造される有効成分がEU GMP要件を
満たしていることは保証されない。査察中に、市場に出回った不良なロットの具体的なエビデンスは確認されな
かった。
●規制当局によりとられた/提案された措置
〇CEP(適合証明書)の一時停止または無効化(EDQMによる措置)
EDQM特別委員会は、以下のCEPを一時停止することを決定した:XX/クロピドグレル硫酸水素塩、XX/レベチラ
セタム、XX/ロスバスタチンカルシウム、XX/チオクト酸。さらに、EDQM特別委員会は、CEPのXX、XX、XXから
中間製造業者のXX社を削除することを決定した。
●追加コメント
本件はEDQM特別委員会によってレビュされ、同委員会は関係するCEPに対する規制措置を承認した。一部の
CEPについては、関連する中間体の代替製造業者が登録されているため、それぞれの登録書類からXX社を削除
することが適切なリスク軽減策とみなされる。特定された欠陥は体系的なものであり、品質管理とデータ・インテ
グリティにおける重大な不備を含み、当該施設におけるGMP関連業務の信頼性に影響を与えている。

■Report No: MT/002NCR/2026■
マルタの所轄官庁が2026年3月31日にインドの製造業者を査察して得た情報から、この製造業者はGMPの要件
に準拠していないとみなされ、2026年5月5日にノンコンプライアンスレポートが発行された。

●コンプライアンス違反の性質
当該企業による申請を受理した後、EU GMPガイドラインへの準拠を評価するためにオンサイトGMP査察が実施
された。当該企業は前回2023年2月10日(査察最終日)に実施されたEU GMP査察の後、2023年5月1日付の
EU GMP証明書XXを取得していた。この査察以降、EUバッチリリースの責任に関して、EUでの事業はデンマークの
XX社からマルタのXX社に移管された。2026年2月10日に、最後のGMP査察から3年が経過した。2026年3月26日
から3月31日の間に実施されたオンサイト査察で、査察官は2件のクリティカルな問題、7件のメジャーな問題、および
合計17件のその他の問題を確認した。
1件目のクリティカルな指摘は、医薬品品質システム(PQS)に関するものだった。PQSの管理と文書化は、さまざまな
面で著しく不足していることがわかった。品質保証部門も十分なリソースが確保されていなかった。上級管理職の
リーダーシップと積極的な参加による効果的なPQSが保証されていなかった。QA部門の人員は、査察対象の経口
固形製剤ブロックと無菌注射剤ブロック(今回の査察範囲外)で共有された合計6名だった。査察結果と確認事項
から、QA部門が適切なPQSを維持できず、査察の要求に効果的に対応できないことが明らかになった。文書が
最新の状態に保たれ、効果的に更新され、安全に配布されることを保証するための文書管理が行われていなかった。
ハイレベルの文書は、有効になった時点で最新の状態ではなく、査察時に改訂対象として特定されていなかった。組織
内の変更管理、逸脱、リスクアセスメント、および適切な文書管理基準も著しく不足していることがわかった。
2件目のクリティカルな指摘は、査察中に確認されたデータ・インテグリティの違反に関するものだった。さまざまな
ログブック/台帳がハードカバー以外のさまざまな形式で存在しており、異なる紙とインクでクリップ留めされたもの、
ホチキス留めされたもの、プラスチックフォルダーにバラバラの紙が入ったものなどがあった。査察中に、ログブックの
オリジナルの部分が再発行されたものに置き換えられているエビデンスが確認された。これは、ログブックの内容の
インテグリティと信頼性に関する重大な懸念を引き起こした。その他のデータ・インテグリティに関する懸念には、査察
の過程で2ケースで3回確認されたバックデートの作業が含まれる。QCの分析のクロマトグラフィーシーケンスで監査
証跡が無効になっていた。ソフトウェアのパスワードの複雑性のポリシーは、高い保護要件が適用されていなかった。
IT管理者がXXソフトウェアに設定したパスワードの長さの設定について、査察官に意図的に虚偽の情報が提供
された。HPLCおよびGCのシーケンスファイルは、分析者によるデータの名前変更と削除を可能にする読み書き
アクセス権限のあるフォルダに格納されていた。1ヶ月で分析が完了したことがレビュされたシーケンスファイルは、
別の月に修正された日付を示していた。
7件のメジャーな指摘事項は、サプライヤの適格性、従業員のトレーニングと健康診断、温度マッピング、一次および
二次包装作業、品質管理作業、サンプリング、および製品ラベルと異なる原薬の保管に関して確認された。
また、「その他」に分類された17件の指摘事項も確認された。
この結果を受けて、マルタ医薬品庁の査察レビュグループ(IRG)は会合を開き、EU指令2017/1572に定められた
GMPの原則とガイドラインへの不適合に関するノンコンプライアンスステートメントを当該施設に対して発行する
ことを決定した。
●規制当局によりとられた/提案された措置
〇その他
加盟国は、現在有効な販売承認の見直しが必要かどうかを検討し、推奨されるノンコンプライアンスステートメント
が発行されるまで、この施設を最終製品製造業者として記載した新たな販売承認の開始または承認を行わないこと
を検討すべきである。

■Report No: MT/003NCR/2026■
マルタの所轄官庁が2026年4月21日にスリランカの製造業者を査察して得た情報から、この製造業者はGMPの要件
に準拠していないとみなされ、2026年5月11日にノンコンプライアンスレポートが発行された。

●コンプライアンス違反の性質
当該企業による申請を受理し、2025年1月にEU GMPガイドラインへの準拠を評価するための最初の査察が実施
された後、オンサイトでのGMPフォローアップ査察が実施された。当該企業は最初の申請であったため、EU GMP
証明書を保有していなかった。2026年4月16日から4月21日に実施されたオンサイトフォローアップ査察で、査察官
は1件のクリティカルな問題、5件のメジャーな問題、および合計19件のその他の問題を確認した。
クリティカルな指摘事項は、ガウン着用手順と更衣室の設計、グレードBエリアの部屋の仕上げと設備、環境モニタ
リングプログラム、および不適切な無菌操作に関するものだった。ガウン着用システム、更衣室の設計、および人員
の流れが、非分類、低グレード、および高グレードのエリア間の効果的な分離を提供しておらず、グレードC、B、および
A環境への汚染の潜在的な移送を許容していたため、分類エリアの全体的な設計、実装、管理、メンテナンス、
ならびに重要な無菌プロセスの実施は、適切なレベルの滅菌保証を確保するのに十分ではないことが確認された。
グレードBのエリアには、粒子や繊維が脱落する材料、損傷した表面、露出した部品など、不適切な劣化した仕上げや
設備が備えられており、意図されたクリーンルームの分類と適合せず、管理された環境に直接的なリスクをもたらして
いた。環境モニタリングプログラムは、重要な無菌作業中のモニタリングの欠如、モニタリング機器の設置と配置の
不備、不十分な根拠に基づくサンプリング戦略、およびアラート限界とアクション限界の定期的で科学的レビュの欠如
により、重要な無菌作業に関連するリスクを特定、評価、または管理するには十分な堅牢性を備えていなかった。
さらに、滅菌部品が汚染管理を損なう方法で取り扱われ、一方向流保護が一貫して維持されていなかったため、日常
業務中の無菌操作が不十分であることが確認された。
5件のメジャーな指摘事項は、ガウンとガウン洗浄プロセスの適格性評価と管理、汚染管理戦略、無菌プロセスシミュ
レーションの管理、サプライヤ承認システム、および品質管理ラボの管理に関して確認された。
「その他」に分類された19件の所見も確認された。
この結果を受け、マルタ医薬品庁の査察レビュグループ(IRG)はは会合を開き、EU指令2017/1572に定められた
GMPの原則とガイドラインへの不適合に関するノンコンプライアンスステートメントを当該施設に対して発行する
ことを決定した。
●規制当局によりとられた/提案された措置
〇供給の禁止

加盟国は、現在有効な販売承認の見直しが必要かどうかを検討し、推奨されるノンコンプライアンスステートメントが
発行されるまで、この施設を最終製品製造業者として記載した新たな販売承認の開始または承認を行わないことを
検討すべきである。

■Report No: NL/V 25/2056902■
オランダの所轄官庁が2025年9月5日にアメリカの製造業者を査察して得た情報から、この製造業者はGMPの要件
に準拠していないとみなされ、2026年5月19日にノンコンプライアンスレポートが発行された。

●コンプライアンス違反の性質
2025年9月2日から9月5日にかけて、オランダ医療・青年保健監督局(IGJ)と動物用医薬品局 (英国VMD)による
定期的な合同 GMP 査察が実施された。対象製品は、XX(XX/XX/XX/XX)、XXおよびXX(すべての動物用ワクチン)、
狂犬病のバルク抗原だった。査察の結果、8件のメジャーな不備と 10件のその他の不備が見つかった。IGJとVMD
は、不備の量と深刻度に基づき、同社がGMPに準拠していないと共同で結論付けた。
メジャーな不備は以下の通りである:
1.同社は、製品に応じて、改訂された GMPガイドラインAnnex1の要件を組み込む義務を適切にまたは完全に履行
していなかった。Annex1は、狂犬病の抗原(2027年に予定されている生産移管待ち)、XX(製造されていないため)、
および 2025年のキャンペーン直前のXXに対して実施されなかった。初期のGAP分析が示せなかった。
2.継続的改善能力が不十分である。これは、2022年の最後のEU GMP査察のさまざまな(重大な)欠陥が再発した
ことから明らかである。これは、環境モニタリングと無菌プロセスシミュレーションに関するメジャーな指摘事項と、
現在はメジャーな不備となっている2022年のその他の指摘事項(適切な文書化基準、無菌の行動)を含む。
3.汚染のリスクを最小限に抑えるための予防措置が不十分だった。同社は、狂犬病およびXX製品のCCS(汚染管理
戦略)を持っておらず、XXのCCSは包括的な概要ではなく、いくつかの要素が欠けていた。さらに、一次包装材料の
洗浄、消毒、およびクリーン保持時間のプロセスが適切に定義されていなかった。圧力差、非カスケードエアロックの
点で施設は不合格だった。
4.無菌行動および(ガウン着用)手順は多くの場合不十分であり、対応する手順が守られていなかった。たとえば、
(脱衣)手順、手洗い、グレードBクリーンルームでの移動、手袋の交換、消毒用ワイプの交換が行われていないなど、
多くの例が確認された。これらの例の中には、対応する手順が守られていないものもあった。
5.サイト全体の保守、修理、清掃活動は、多くの例が示すように不十分だった。多くの場合、生産施設およびガウン室
で錆、汚れ、ほこりが観察された;クリーンルームは整然としていなかった;私物(例:バックパック、ヘッドホン)が
グレードDの部屋で見つかった;パネル、壁、シール、付属品は多くの場合損傷していた;部屋の外観から部屋の清潔
な状態が証明されていなかった。
6.会社の環境モニタリング(EM)プログラムは不十分だった。例としては、グレードAで非生存粒子を測定しないこと、
測定場所のアプローチが一貫していないこと、リスク評価が欠落していること、測定の手順に従っていないこと、人員
の監視が不十分であること、部屋の監視が不十分であること、制限値が欠落していること、制限値の根拠や分離株の
選択が欠落していること、重要な介入後のサンプリングが欠落していること、逸脱の調査が欠落していることなどが
挙げられる。
7.無菌プロセスシミュレーションプログラムの設計と運用により、十分な滅菌保証ができなかった。例としては、増殖が
あっても APS(無菌プロセスシミュレーション)が適合する可能性、充填時間、キャンペーン、介入頻度、すべての
ワーストケースの考慮、機器の保持時間を考慮しないプロセス設計;実行要素が検証できないこと(例: クリーン
ルーム内の最大人数、入場、適切なEMモニタリング、関係者の役割) などが挙げられる。
8.多くの場合、適切な文書化基準が適用されなかった。これには、管理されていない、古くなった、廃止された文書、
要素が欠落/不正確な手順、不十分に管理され、保管や保持がされた文書、適時にレビュされていない文書;誤った、
欠落した、変更されたデータや署名、変更内容に応じて更新されていない文書を含む。
●規制当局によりとられた/提案された措置
〇現在有効なGMP証明XXの取り消し

証明書XX(以前の証明書の有効期限が3年経過した後に発行された延長GMP証明書)は取り消される。
〇既に出荷されたロットの回収
潜在的な品質欠陥と供給制限に関する規制当局の評価に基づき、回収を検討している。直接的かつ重大な製品リスク
は確認されていない。ただし、複合的な欠陥の性質と累積リスクにより、劣悪な製品につながった可能性がある。当局
は、回収を検討する前に製品の重要度を評価することを推奨する(例:狂犬病の抗原)。会社からの情報に基づくと、
以下の製品が該当する:
-XX(全種類):2022年9月以降、このサイトでは製造されていない。
-XX:現在製造されている。
-XX:2025年3月から7月までのキャンペーンで製造されている。
-狂犬病バルク抗原:現在製造されている。
〇供給の禁止
当該企業は、ノンコンプライアンスステートメントが有効な間は、EU市場への供給を控えるべきである。ただし、市場
にとって極めて重要とみなされる製品は例外とする。市場への全面的な供給再開には、再査察に合格することが推奨
される。

■Report No: 2026_NCR_MEDBIO_003■
フランスの所轄官庁が2026年2月12日に中国の製造業者を査察して得た情報から、この製造業者はGMPの要件に
準拠していないとみなされ、2026年6月12日にノンコンプライアンスレポートが発行された。

●コンプライアンス違反の性質
このノンコンプライアンスレポート(NCR)は、次の4つの製品に関連する医薬品製造作業に限定される:-XX(ウステ
キヌマブ)45mgおよび90mg注射液、XX(ウステキヌマブ)130mg点滴静注用濃縮液(バイアルおよびプレフィルド
シリンジ包装);XX(ベバシズマブ)25mg/mL点滴静注用濃縮液(バイアル包装);-XX(トシリズマブ)20mg/mL点滴
静注用濃縮液(バイアル包装);-XX(ゴリムマブ)50mgおよび100mg注射液(プレフィルドシリンジ包装)。
査察では、医薬品製造作業に関連する1件のクリティカルな不備と8件のメジャーな不備を含む33の不備が指摘
された。
1件のクリティカルな不備が指摘された:
1)無菌プロセスシミュレーション(APS)の失敗やグレードA/Bクリーンルームでの環境モニタリングの逸脱に関連する
逸脱を含む逸脱の製品への影響を調査および評価しなかったこと。
8件のメジャーな不備が指摘された:
1)微生物汚染を最小限に抑えるのに適さない方法を使用することにより、効率的なクリーンルームの洗浄および消毒
業務、グレードA/Bエリアへの材料移送プロセスを実施しなかったこと。
2)欧州薬局方の要件および手動検査表の適格性評価データから逸脱し、充填済みユニットの適切なマニュアルの
目視検査工程を実施しなかったこと。
3)EU GMPのAnnex1に従って、プレフィルドシリンジ充填室のクリーンルームの再適格性評価をしなかったこと。
4)EU GMPのAnnex1に完全に準拠して、クリーンルーム環境モニタリング プログラムを実施しなかったこと
5)最終滅菌ろ過0.22µmの後に3µmフィルタを組み込むよう製造プロセスを変更することにより、200Lの使い捨て
保管バッグ(XXおよXXのバイアル充填時に使用)の粒子汚染を適切に管理しなかったこと。
6)充填ラインのオペレータの年次の再資格認定のための無菌操作、およびAPS読み取りのためのQC職員の初期
資格認定の合格基準を適切に定義しなかったこと。
7)EU GMPのAnnex11の要件に従ってQCラボのコンピュータ化システムを管理しなかったこと。
8)販売承認保有者および輸入業者との承認された品質契約の制定の不履行
●規制当局によりとられた/提案された措置
〇現在有効なGMP証明XXの取り消し

/
〇供給の禁止
本ノンコンプライアンスレポートの発行前に製造、本ノンコンプライアンスレポートの有効期間中に製造された4つの
製品のいずれのロットもヨーロッパに供給してはならない。
●追加コメント
CAPA計画全体が適切に実施されたことを確認するため、フォローアップのGMP査察が必要である。
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今回確認した11件のノンコンプライアンレポート(2026.3~2026.6発行分)のうち、7件がインドの製薬会社に対する
ものだったのが印象的でした。それだけインドの製造所でGMP違反が多いということだとは思いますが、ヨーロッパ
のインドへの依存度の高さも感じました。

また、11件のうち2件は、動物用医薬品の製造に関する内容でした。
EUでは昨今、動物用医薬品の規制に関して大幅な変更があり、ヒト用医薬品GMPを流用するのではなく、動物用
医薬品専用のGMPが誕生しました。EUは、基本的にヒト用GMPとの整合性を維持するとしていますが、そうは
言いつつ、当面、動物用医薬品の査察や指摘が増える可能性があります。
EU諸国に動物医薬品を輸出している会社は、新たにできた動物用医薬品に関する規制要件を確認しておいた
ほうがよいと思われます。

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