EU GMP:製薬会社のノンコンプライアンス(2025.11~2026.2) ~アジアの企業への指摘5件あり~

今回は、EUの規制当局の査察に基づき発行されたEU GMPのノンコンプライアンスレポート(Non-Compliance Report)8件を取り
上げ、どんな点が指摘の対象になっているかを確認しようと思います。

EU GMPノンコンプライアンスレポートは、EUの当局による製造所の査察において、EU GMPに不適合と判断される不備が見つ
かった場合に発行されるもので、3部構成になっています。
Part1に確認した当局の名前、製造業者の名前、製造所の住所等、Part2にノンコンプライアントな製造オペレーション、Part3に
コンプライアンス違反の性質、EUの対策等が書かれています。
査察結果を報告するという点ではFDAのウォーニングレターと似ていますが、ウォーニングレターに比べて、指摘の内容があまり
詳しくありません。また、不備を、クリティカル(Critical)、メジャー(Major)、その他(Others)/軽微(minor)に分類しているという
特徴があります。
ここでは、Part3の中で指摘されている不備の内容をみていきたいと思います。
出典:https://eudragmdp.ema.europa.eu/inspections/gmpc/searchGMPNonCompliance.do
※具体的な社名・品名等は、“XX”と記載してあります。

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■Report No: IT/NCR/API/01/2025■
イタリアの規制当局が2025年8月22日に中国の製造業者を査察して得た情報から、この製造業者はGMPの要件に準拠していない

とみなされ、2025年12月4日にノンコンプライアンスレポートが発行された。
●コンプライアンス違反の性質
査察はEDQM(EDQM:欧州評議会 医薬品品質部門)のプログラムの一環として実施された。
非無菌原薬リンコマイシン塩酸塩XXが査察された。
査察中、13件のメジャーに分類される不備が見つかった。指摘された不備は、GMP活動の不適切なアプローチと管理を浮き彫りにし、
品質保証システムにおける重大な不備を裏付けている。特に、主要な不備の一つは、リンコマイシン塩酸塩の製造に使用される設備と
施設の老朽化によるものだった。また、文書管理、GMP活動のトレーサビリティ、逸脱、OOSについても不備が指摘された。
●規制当局によりとられた/提案された措置
〇既に流通している製品の回収
各国の規制当局(NCA)による潜在的な品質欠陥と供給制限の評価に基づき、回収を検討する。製品自体に直接的なリスクは特定され
なかったものの、メジャーな不備の性質と複数の不備が複合的に発生することによる累積リスクは、製品の品質低下につながる可能性
がある。関係する各NCAは、この原薬と、この原薬を使って製造された医薬品の完全な再試験を推奨するために、販売承認取得者(MAH)
と共に実施したアセスメントを評価する必要がある。イタリア医薬品庁(AIFA)の情報に基づくと、この原薬を含む医薬品の供給不足は
現実的なリスクではない。いずれにせよ、代わりの供給者と医薬品不足のリスクについては個別に評価する必要がある。
〇供給の禁止
NCS(GMPノンコンプライアンスステートメント)が発効中は、企業はEU市場への供給をすべきではない。市場への供給を再開売る前
に再査察に合格することが推奨される。
〇CEP(適合証明書)の一時停止または無効化(EDQMによる措置)
リンコマイシン塩酸塩のCEPは一時停止された。

■Report No: ISC.41.28.2024.DO■
ポーランドの規制当局が2024年6月5日にポーランドの製造業者を査察して得た情報から、この製造業者はGMPの要件に準拠して
いないとみなされ、2025年12月5日にノンコンプライアンスレポートが発行された。

●コンプライアンス違反の性質
査察中、2022年8月23日付医薬品・医療機器・殺生物性製品の登録局長決定番号XXにより医薬品XX認可番号XXが停止されていた
にもかかわらず、問題の医薬品が輸入、判定、出荷されていたことが確認された。上記の行為は、ポーランド刑法の規定に違反する
兆候を示している。刑法では、適用される品質基準を満たさない医薬品を製造または市場に出すことで、多数の人の生命や健康、
あるいは重要な価値のある財産を危険にさらした者は、最長8年の懲役刑に処されると規定されている。さらに、輸入業者はGMP要件
を適用せず、医薬品の製造または輸入認可保有者の義務を遵守しなかったことで、ポーランド薬事法に違反していたことが判明した。
査察中、クリティカルな不備が3件、メジャーな不備が4件、その他の不備が2件確認された。
クリティカルな不備は以下の通りである。
・販売承認XXの停止にもかかわらず、医薬品XX、複合製剤、錠剤16ロットの判定および市場への出荷(バッチリリース)
・医薬品XXの複合製剤の出荷されたロット番号XXについて、クオリファイドパーソンによる判定が行われていなかったこと。
・医薬品XXの複合製剤、錠剤の出荷ロットXXについて、輸入場所での確認はなかった。クオリファイドパーソンは、ロットが
ポーランド内で以下のパラメータについて品質の分析を受けていることを確認した:製品の外観、製品の形状、TLC 識別、
有効物質/マーカー (フラボノイドの合計、マスタード指数、鉄)、錠剤の平均重量、質量均一性、pH、錠剤の崩壊時間、乾燥重量減少、
重金属 (鉛、カドミウム、水銀、ヒ素)、登録簿による包装試験の準拠。
・販売承認XXが停止されているにもかかわらず、医薬品XX複合製品、錠剤の6ロットが販売された。
・「輸入倉庫」室の構成、場所、規模は、リリースされた製品と卸売業者への出荷準備中の製品を保管する専用エリアに隔離保管
状態の製品ロットを整然と保管するスペースが不足しているため、混入のリスクと製品の品質への悪影響を最小限に抑えること
ができず、意図された業務の遂行には適していない。
●規制当局によりとられた/提案された措置
〇製造許可XXの完全失効
〇現在有効なGMP証明の取り消し
2025年7月22日に有効期限が切れたGMP証明XXの取り消し
〇既に出荷されたロットの回収

■Report No: BE/NC/2025/01■
ベルギーの規制当局が2025年10月8日にマレーシアの製造業者を査察して得た情報から、この製造業者はGMPの要件に準拠

していないとみなされ、2025年12月11日にノンコンプライアンスレポートが発行された。
●コンプライアンス違反の性質
査察に基づき、欧州の顧客への偽造された原薬の供給が確認され、EU GMP、およびヒト用医薬品に関する指令2001/83/ECを
修正する2011年6月8日の欧州議会および理事会の指令2011/62/EUの偽造医薬品の合法的なサプライチェーンへの混入防止
に関して準拠していないことが判明したため、製造業者XXに対するノンコンプライアンスレポートを発行することが提案された。
具体的には、査察中に EU GMP に対する10件の不備が確認された。欧州の顧客への偽造原薬の供給に関連する1件のクリティ
カルな不備が確認され、汚染および交差汚染のリスクとプロセスバリデーションに関連する2件のメジャーな不備も観察された。
さらに、7件のその他の不備が見つかった。(ヨーロッパへの偽造原薬の供給の調査にかなりの時間がかかったため、通常は
定期的な GMP査察の一環としてカバーされる品質システムの多くの要素が今回はレビュされなかったことに注意せよ。)
●規制当局によりとられた/提案された措置
〇販売承認の変更要求

販売承認の削除、または、製造業者XXの代替の販売承認のアセスメントを検討する必要がある。この製造所からの原薬/中間体
が使用されている企業の販売承認は、ノンコンプライアンスステートメントが有効である限り、承認されるべきでない。
〇既に出荷されたロットの回収
CEP XXおよびCEP XXの対象となるクラリスロマイシンについて、この製造所で製造された原薬/中間体が使用されている
完成品のリリース済みロットの回収の必要性について、供給不足のリスクが証明されない限り検討する必要がある。
エリスロマイシン (CEP XX)、エリスロマイシン塩基二水和物 (CEP XX)、エリスロマイシンエチルコハク酸塩 (CEP XX)、
エリスロマイシンステアレート (CEP XX)、および CEP エリスロマイシンエストレートおよびエリスロマイシンラクトビオン酸塩
に含まれない物質の場合: 代替サプライヤが存在し、供給不足のおそれがない場合は、医薬品の回収は、販売承認取得者(MAH)
と共に実施したアセスメントに基づき、NCA によって評価される必要がある。
不適合の性質上、評価には、輸入された原薬の全てのロットの完全な再試験を含める必要がある。代替品のない重要な医薬品
に使用される特定の原薬について、GMP証明を要求する国家の法律がある場合は、各当局は、自らの責任において市場への
供給を保証するために、XX社の限定的な GMP証明を自国に限って維持することを決定できる。 CEPの対象となるその他の
物質(アジスロマイシン、ベタメタゾンリン酸ナトリウム、ベタメタゾン吉草酸エステル、デフェラシロクス、デキサメタゾンリン酸
ナトリウム)、またはCEPの対象外となるその他の物質(シタグリプチンリン酸一水和物、タダラフィル)については、現時点では、
これらの原薬がEU/EEA市場に直接供給されていないと理解されている。ただし、これらの物質がXX社またはその他の供給者
(製造業者、仲介業者など)を通じて欧州市場に実際に供給されている場合は、同様の評価と決定を検討する必要がある。
〇CEP(適合証明書)の一時停止または無効化(EDQMによる措置)
EDQMは、XX社の全てのCEPを取り消し、現在審査中の全てのCEP申請を終了させることを決定した。

■Report No: sukls441845/2025■
チェコの規制当局が2025年11月12日にチェコの製造業者を査察して得た情報から、この製造業者はGMPの要件に準拠して
いないとみなされ、2025年12月16日にノンコンプライアンスレポートが発行された。

●コンプライアンス違反の性質
査察チームは合計 19 件の不備を確認した。うち2件はクリティカル、13件はメジャー、4件は軽微と分類された。クリティカル
な不備は、医薬品品質システムの実装、およびクオリファイドパーソンの知識、経験、数に関するものだった。GMPのほとんど
の領域にわたる主な不備は、逸脱調査、変更管理、トレーニング、バリデーションと適格性評価、文書管理、リスクアセスメント、
安定性試験の記録の欠落または不十分さだった。
クリティカルな不備1.GMPを含む、医薬品品質システムが機能していない。システムは実装されておらず、適切に文書化されて
おらず、その有効性のモニタリングは実際のデータと品質リスク管理に基づいていない。記録は欠落しているか、不正確だった。
クリティカルな不備2.会社は6人の従業員を雇用している。前回の査察以降、工場管理と品質保証の領域で3回の人事異動が
あった。一部の分野で、新入社員が関連する業務の実行と監督に必要な知識と経験を十分に備えていない。
●規制当局によりとられた/提案された措置
〇現在有効なGMP証明の取り消し
〇供給の禁止
供給の禁止が推奨される。

■Report No: sulks397498/2025■
チェコの規制当局が2025年11月12日にチェコの製造業者を査察して得た情報から、この製造業者はGMPの要件に準拠
していないとみなされ、2025年12月16日にノンコンプライアンスレポートが発行された。

●コンプライアンス違反の性質
査察チームは合計25件の不備を特定した。そのうち3件はクリティカル、17件はメジャー、5件は軽微と分類された。2件の
クリティカルな不備は、医薬品品質システムの実装と、クオリファイドパーソンの知識、経験、数に関するものだった。3つ目
のクリティカルな不備は、製造された製剤の承認と、製造および承認されたロットの登録の維持に関するものだった。GMP
のほとんどの領域にわたる主な不備は、逸脱調査、変更管理、トレーニング、バリデーションと適格性評価、文書管理、
リスク評価、安定性試験の記録の欠落または不十分さだった。
クリティカルな不備1.GMPを含む医薬品品質システムが機能していない。システムは実装されておらず、適切に文書化
されておらず、その有効性のモニタリングは実際のデータと品質リスク管理に基づいていない。記録は欠落しているか、
不正確だった。
クリティカルな不備2.会社では6人の従業員を雇用している。前回の査察以降、工場管理と品質保証の分野で3名の
人事異動があった。一部の分野で、新入社員が関連する業務の実行と監督に必要な知識と経験を十分に備えていない。
クリティカルな不備3.ロットの製造記録はExcelスプレッドシートのみで管理されている。査察された事業体は、複数の
ロットについてクオリファイドパーソンの承認のエビデンスを提示できなかった。
●規制当局によりとられた/提案された措置
〇現在有効なGMP証明の取り消し
〇臨床試験の中止
臨床試験(もしあれば)の中止が推奨される。

■Report No: CH25-0004■
スイスの規制当局が2025年12月2日に中国の製造業者を査察して得た情報から、この製造業者はGMPの要件に準拠して
いないとみなされ、2026年1月30日にノンコンプライアンスレポートが発行された。

●コンプライアンス違反の性質
スイス医薬品局とEDQMの合同の製造所査察で、クリティカルな不備が4件、メジャーな不備が12件、その他の不備が23件
確認された。クリティカルな不備とメジャーな不備のうち9件は、Annex1の要件の不十分な実施に関連しており、患者/治療動物
に有害となる可能性のある非無菌製品の製造の潜在的リスクを作っている。同社は、製品の無菌性を確保するための適切な
品質リスク管理を確立していなかった。無菌プロセスシミュレーションの実行、およびスプレードライヤーと充填システムの
滅菌に関して、複数の不備が見つかった。さらに、同社は適切なエンドトキシン管理戦略を確立できず、これも非無菌原薬に
影響を及ぼす可能性がある。環境モニタリング、クリーンルームにおける無菌動作、容器閉鎖の完全性、洗浄、更衣、滅菌衣類
の保護に対する同社のアプローチは、製品の品質に対する全体的なリスクの一因となっており、無菌性は保証されていない。
グレードA、B、Cのクリーンルームおよび設備の設計とメンテナンスは、無菌原薬の製造および無菌充填に適した環境を維持
するには不十分である。さらに、適切な変更管理、適切な洗浄およびプロセスバリデーション、そして全体的な予防保全戦略が
不十分だった。査察の結果、GMP遵守レベルが不十分であることが判明した。特にAnnex1の要件に関しては、現場における
知識が限られていると言える。
●規制当局によりとられた/提案された措置
〇販売承認の変更申請

この製造業者は、新規/進行中の販売承認申請または変更申請で承認されるべきではない。原薬の代替製造業者を導入
するための変更申請の提出が推奨される。
〇既に出荷されたロットの回収
規制当局と販売承認取得者(MAH)間のアセスメント後、規制当局は、特定の製品のロットを回収するかどうかの決定を、
リスクアセスメントと製品の重要性に基づいて行う必要がある。
〇供給の禁止
ノンコンプライアンスレポートの発行後、レポートが有効である限り、代替供給業者がなく、不足のリスクがある場合を除き、
無菌原薬の供給を禁止することが推奨される。
〇CEP(適合証明書)の一時停止または無効化(EDQMによる措置)
無菌CEPの停止が推奨される。 EDQMは、2026年1月12日、以下の無菌CEP(原薬・中間体)の承認を一時停止した。
CEP XX(動物用ジヒドロストレプトマイシン硫酸塩、無菌)およびCEP XX(コリスチンメト酸ナトリウム、無菌)
●追加コメント
GMP不適合は、当該施設で製造される全ての無菌原薬および中間体に適用される。ただし、「クリティカル」に分類された
不備(不適切なエンドトキシン管理戦略)および「メジャー」に分類された複数の不備は、当該施設の品質保証システム
(プロセスバリデーション、洗浄バリデーションおよびそれに伴う交差汚染のリスク、変更管理、予防保守)に関連している
ため、スイス医薬品局は、この品質システムを用いて当該施設で製造される全ての原薬が影響を受ける可能性があると
考えている。この製造所は、以下の無菌原薬の製造に使用されている: CEP XX、コリスチメートナトリウム、滅菌済み;
ポリミキシン B 硫酸塩; ストレプトマイシン硫酸塩滅菌済み
スイス医薬品局 は、このサイトのフッターに記載されているXXにある製造所に対して発行されたスペイン医薬品・医療製品庁
の証明書XXの取り消し/変更を提案している。
〇供給の禁止
不適合の性質上、代替供給業者がなく、供給不足のリスクがある場合を除き、供給の禁止が推奨される。不適合の性質を
考えると、供給を受け入れるかどうかの決定は、全ての輸入された原薬のロットの完全な再試験を含むアセスメントに
基づいて行う必要がある。

■Report No: NNGYK/11120-1/2026■
ハンガリーの規制当局が2026年1月31日にインドの製造業者を査察して得た情報から、この製造業者はGMPの要件に準拠
していないとみなされ、2026年2月3日にノンコンプライアンスレポートが発行された。

●コンプライアンス違反の性質
クリティカルな指摘1.
サイトマスターファイルには、記載されている査察および監査の結果が示されていなかった。2023年に
米国FDAが実施した、OAI(Official Action Indicated)ステータスにつながる不合格の査察が報告されていなかった。
クリティカルな指摘2.ITシステムおよびコンピュータシステムの管理の不備が次のように確認された。
– ERPシステムはコンピュータ化システムのリストに示されておらず、バリデーションも行われておらず、査察の時点ではまだ
バリデーションが開始されていなかった。システムは2025年4月5日に稼働開始された。
– バックアップ復元チェックはSOP要件であったにもかかわらず、2025年には実施されなかった。2026年に計画され実行された
復元チェックが提示された。
– システムの廃止前にシステムに保存されたデータの有効性を検証するという明確な要件がなかった。
クリティカルな指摘3.更衣適格性モニタリングポイントに、全身(後頭部、背中、お尻)でグレードAに入った作業者の体の背面
と下肢の確認が含まれていなかった。グレードAおよびBの作業員については、指全体ではなく、5本の指の接触部分のみが
モニタリングされていた。個人のモニタリングでは、作業員またはエンジニアが日常モニタリング計画に含まれていない
身体部位でグレードAに入らざるを得ない非定常的な介入が考慮されていなかった。これは、2023年の米国FDAのレポートと
同様の繰り返しの指摘事項である。
メジャーな指摘1. OS(作業場)のAHU(空調ユニット)のプレフィルター/ファインフィルターの乾燥に使用されていた乾燥機
が汚れていた。これは繰り返しの指摘事項である。
メジャーな指摘2. 汚染管理戦略で特定された弱点は次の通りである。
– グレードB充填室に通じる自動ドアの開閉メカニズム、およびそのメカニズムに関連するリスクと必要な管理が把握されて
いなかった。
– OSDブロック(特に口腔用液剤および軟膏/クリーム)用の汚染管理戦略(微生物)が策定されていなかった。
– 汚染管理戦略は、濡れたモップがけや包装の除去をしないことにより移動される特定の材料および品目固有のリスクを把握
されていなかった。その結果、これらに対するCAPAおよび監視プログラムが確立されていなかった。
– アクセス制限バリアシステムで使用されるロボットアームのジョイントは、消毒が困難な場所として特定されていなかったため、
滅菌プロセスのVHPサイクルの検証ではこれらのジョイントが対象とされてなかった。
メジャーな指摘3.嫌気性無菌プロセスシミュレーションの開始条件と、そのようなシミュレーションを実行するために必要な
前提条件が無菌プロセスシミュレーション(APS)手順で定義されていなかった。非固有の(是正的な)介入は年に1回のみ実施
することが求められていた。是正介入の期間と回数はAPSプロトコルで定義されていなかった。アクセス制限バリアシステムの
ドアを開いた状態で実施される是正介入は定義されていたが、APSごとに6種類の是正介入のうち1種類のみを実施する必要
があり、これらの介入の期間と回数は定義されていなかった。APSバッチ(例:粒子、繊維、その他の汚染物質)については、
目視検査の結果(損傷の有無に関する問題以外)は報告されていなかった。
●規制当局によりとられた/提案された措置
〇現在有効なGMP証明の取り消し

全ての証明が失効した。
〇既に出荷されたロットの回収
査察官は、既に出荷された製品の品質にリスクをもたらすような行為や製造工程は発見しなかった。
〇供給の禁止
国立公衆衛生薬学センターは、腫瘍治療薬による治療を受けている患者への供給を除き、供給の停止を提案している。
生命維持に必要でない供給についても停止を提案している。
〇臨床試験の中止
国立公衆衛生薬学センターは、当該製造所からの治験薬を用いた臨床試験に関する情報を入手していない。

■Report No: MT/001NCR/2026■
マルタの規制当局が2026年1月14日にインドの製造業者を査察して得た情報から、この製造業者はGMPの要件に準拠して
いないとみなされ、2026年2月9日にノンコンプライアンスレポートが発行された。

●コンプライアンス違反の性質
会社からの申請に基づき、EU GMPガイドラインへの継続的な準拠を評価するために、GMP更新現地査察が実施された。
現地査察中、査察官は、クリティカルな不備:1件、メジャーな不備:6件、その他:合計18件の問題を確認した。査察中、
当該企業で実施されている品質マネジメントシステムとその管理に重大な欠陥があることが確認された。また、前回の
更新査察以降、従業員の大幅な入れ替わりが査察中に確認された。このため、品質マネジメントシステムの導入と維持、
およびその継続的改善に問題が発生している。品質リスクマネジメントの原則と組織内でのその適用に関してクリティカル
な事項が確認された。これは、前回の査察でもメジャーな指摘事項だった。職員の管理と職員の教育、保管区域の
温度マッピングと保管区域内の環境条件の評価、原材料の試験と規格、QCラボ、出発原料のサンプリング、サードパーティ
の契約分析ラボに関する重大な指摘事項も確認された。この結果を受けて、マルタ医薬品局の査察レビュグループ(IRG)
が会合を開き、当該施設について、指令(EU)2017/1572 に定められたGMPの原則とガイドラインへのノンコンプライアン
スステートメントを発行することを決定した。
●規制当局によりとられた/提案された措置
〇現在有効なGMP証明の取り消し
証明XXは取り消される。
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今回のノンコンプライアンスレポートは、8件のうち5件がアジアの製薬会社に対するものだったことに驚かされました。
これまでもアジアの製薬会社に対する指摘はありましたが、最近増加しているように感じます。
先日、中国産粉ミルクの原料の大規模な汚染問題が発覚していることもあるので、今後一層、EUのアジアの企業に対する監視が
強まるかもしれません。

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2026年3月13日(金) 13:00-17:00、情報機構社主催で、改訂予定PIC/S GMPガイドラインAnnex11に関するセミナを開催します。
改訂内容や対応のための準備にご興味をお持ちの方は是非ご参加ください。
●セミナ名:
 PIC/S GMPコンピュータ化システムの改訂動向とコンピュータバリデーション等への対応
~Annex11における新たな要求事項・変更点とCSVで注意すべき事柄~
●日時:
 2026年3月13日(金) 13:00-17:00
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 http://www.johokiko.co.jp/access/kyurian/
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株式会社デジタルシナジー 
〒231-0062 神奈川県横浜市中区桜木町1丁目101番地1 クロスゲート7階 TEL 045-550-5425 (平日10:00~17:00)

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