今回は、最近発行されたEU GDPのノンコンプライアンスレポート(Non-Compliance Report)を取り上げ、EUの規制
当局がどんな点を指摘しているのか確認していきたいと思います。
EU GDPノンコンプライアンスレポートは、EUの当局による医薬品卸売販売業者の査察において、EU GDPに不適合
と判断される不備がみつかった場合に発行されるもので、3部構成になっています。
Part1に確認した当局の名前、卸売販売業者の名前、卸売販売業者の住所等、Part2に不備により影響を受ける活動、
Part3に不備の内容、規制当局の対策等が書かれています。
査察結果を報告するという点ではFDAのウォーニングレターと似ていますが、ウォーニングレターに比べて指摘の
内容はあまり詳しくありません。また、不備をクリティカル(Critical)、メジャー(Major)、その他(Others)/軽微(minor)
に分類しているという特徴があります。
ここでは、Part3の中で指摘されている不備の内容をみていきたいと思います。
出典: https://eudragmdp.ema.europa.eu/inspections/view/gdp/searchGDPNcr.xhtml?search=nonCompliance
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■Report No: PCD/NC2601/001/CAT■
スペインの規制当局が2026年6月18日にスペインの卸売販売業者を査察した結果、この業者はGDPの要件に準拠
していないとみなされ、2026年7月2日にノンコンプライアンスレポートが発行された。
●コンプライアンス違反の性質
2026年6月に実施された査察において、医薬品の適正流通基準(GDP)の不遵守が確認された。合計29件の不備が
確認され、そのうち8件がクリティカルな不備、10件がメジャーな不備に分類された。クリティカルな不備は、技術責任
者の職務と責任の管理・統制とその展開において見られた。
クリティカルな不備の概要は以下の通りである。
a) 品質システムの管理、統制、および維持が全く不十分であるか、または全く行われていない。
b) 技術責任者は、その役割に関連する職務と責任を遂行しておらず、委任可能な機能を適切に監督していない。
c) 流通可能な医薬品の種類に関する管理が行われておらず、また、製品登録において、製品の活性に応じた適切な
分類、すなわちGDPの管理が行われていない。
●規制当局によりとられた/提案された措置
医薬品流通活動の停止命令。
この措置は、査察で指摘された全ての不備が是正され、医薬品・医療機器管理部門によるフォローアップ査察に
より、この卸売業者が効果的な品質管理システムを導入しGDPに完全に準拠して活動されていることが確認される
まで継続される。
●追加コメント
メジャーな不備として分類された項目には、職員のトレーニングの管理、主要職員のコンティジェンシープラン(緊急時
対応計画)、医薬品の受領・保管・ピッキング・発送管理、倉庫の適格性評価、医薬品の普通ではない販売の検出・
報告、輸送ルートのバリデーション、外部委託輸送業者との技術契約および監査、苦情管理、製品回収の管理などが
含まれる。
医薬品の流通を直ちに停止するよう命じる。
このGDPノンコンプライアンスレポートはカタルーニャの規制当局によって発行された。
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EUのGDPノンコンプライアンレポートは、GMPノンコンプライアンスレポートに比べて発行件数が少なく、今年は
まだ1件しか発行されていませんでした。
内容はなかなか興味深かったです。追加コメントにあった職員のトレーニング、主要職員のコンティジェンシープラン、
倉庫の適格性評価、輸送ルートのバリデーション、外部委託輸送業者との技術契約および監査等の指摘等は見落と
しがちなので、EUとの取引の有無に関わらず参考にできそうです。
