今回は、米国食品医薬品局(FDA) が日本の製薬会社に対してベトナムの製造所に関する指摘で発したウォーニング
レターを取り上げます。
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言及び具体的な社名・品名等です。
出典: https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/rohto-pharmaceutical-co-ltd-733215-10142026
********************* Warning Letter 320-27-06 概要 *********************
2026年4月6日~4月14日のFDAによるベトナムの製造所の査察において、医薬品製造に関するCGMPからの重大な
逸脱がみつかり、2026年10月14日付でウォーニングレターが発行されました。
●指摘1
貴社は、制定した規格や基準への準拠を保証するために必要な全ての試験から得られる完全なデータがラボの記録
に含まれていることを保証するのを怠った。また貴社は、医薬品の性質に応じて、医薬品の安全性、同一性、濃度、
品質、純度を公式または他の制定された要件を超えて変更するような誤動作や汚染を防止するために装置や器具を
適切な間隔で洗浄・メンテナンスし、消毒/滅菌することも怠った。(21 CFR 211.194(a) & 21 CFR 211.67(a))
<指摘1詳細>
貴社は無菌処理を用いたOTC点眼薬を製造している。
我々の査察により、組織的なデータ改ざんが明らかになった。特に、環境モニタリング(EM)、職員モニタリング(PM)、
洗浄記録において、重大なデータ・インテグリティの違反が確認された。
□環境モニタリング記録の改ざん
我々の査察により、貴社の表面モニタリングの記録に重大な不一致が確認された。貴社の標準操作手順書(SOP)は、
ロットの生産後の表面サンプリングをXX箇所で行うことを規定していた。貴社は未曝露のプレートを繰り返しラボに
提出したことと実際のサンプリングを実施していなかったことを認めた。また他のケースでは、部分的なサンプリング
しか行われていなかった。
同様に、無菌処理室で作業する製造および技術担当者の職員モニタリングも収集されていなかった。代わりに、
未曝露のプレートがラボに提出され、関連記録には職員サンプリングが実施されたと記載されていた。
さらに、別のケースでは、ロットの活性空気サンプルが誤った場所で採取されたにも関わらず、規定された場所で採取
されたと虚偽の記録がなされていた。
これらの改ざん行為は、貴社の微生物データの信頼性を根本的に損なうものである。特に、貴社の無菌処理工程に
おいて環境管理が存在することを示すデータに欠け、米国市場向けのロットのリリースを裏付ける根拠もなかった。
この期間中、貴社は、水漏れ事故後の1件の逸脱を除き、全てのEMおよびPMのサンプリングにおいて、コロニ形成
単位(CFU)が0であると報告していた。これとは対照的に、経営陣との不備に関する協議後、査察期間中(2026年4月
10日~14日)に実施された実際のプレート検査では、約25件のISO 5からの逸脱を含む、微生物が増殖した多数の
EMおよびPMのサンプルが確認された。
□洗浄記録の改ざん
貴社のSOPにはISO 5エリアの表面XXの洗浄と部屋の除染が規定されていた。洗浄記録にはこれらの作業が2026
年1月23日、1月30日、3月10日、3月21日に完了したと記録されていたが、我々の査察では洗浄作業が実施されたエビ
デンスは見つからなかった。貴社の経営陣は、記録された洗浄作業は実施されておらず、記録には虚偽の情報が記載
されていたことを認めた。
貴社における深刻なデータ・インテグリティの違反は、米国で流通する医薬品の無菌性保証を著しく損なうものだっ
た。
貴社は回答の中で、米国市場向けの医薬品の製造を一時停止し、米国の流通業者に流通停止の必要性を通知したと
述べている。貴社は、EM、PM、洗浄記録が改ざんされたことを認めている。貴社は、品質保証職員による独立した
監視の欠如と、洗浄実行のリアルタイムの監視の不十分さを含む、いくつかの根本原因を挙げている。貴社は、関係
する全ての職員を停職にし、データ・インテグリティの問題の範囲を評価するために独立したサード・パーティを雇った
と述べている。注目すべきは、貴社は、回答全体を通して、有害な傾向がないことを根拠に、初期の製品影響アセス
メントを裏付ける重要な“品質指標データ”として、過去の有効なEMデータを参照していることである。
貴社の回答は不十分である。改ざんされたEMデータは傾向分析には使用できない。したがって、信頼性が低いと確認
されたEMデータに基づいているため、貴社の初期の製品影響アセスメントは妥当ではない。さらに貴社は、手順上の
不備や個人の不正行為をはるかに超えた組織的なデータ・インテグリティの違反の潜在的な範囲を十分に認識して
いない。多数の職員、複数の記録のタイプ、そして長期間にわたる広範な改ざんが放置されていたことは、組織的な
品質不良を反映しており、貴社の上級管理職が製造およびラボの記録のインテグリティを保証する責任を果たせな
かったことを示している。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:
・貴社のラボの業務、手順、方法、装置、文書、監督体制、分析者の能力に関する包括的で独立したアセスメント
このレビュに基づき、貴社のラボのシステムを改善し、その有効性を評価するための詳細な計画を提出せよ。
・貴社の文書化業務の不備を特定するための、貴社の製造及びラボの業務全体で使用されている文書化システムの
包括的で独立したアセスメント
貴社が、貴社の業務全体を通して、同時性、帰属性、判読性、完全性、原本性、正確性のある記録を保証するための、
貴社の文書化手順を包括的に改善する詳細な是正処置・予防処置(CAPA)を含めよ。
・安定した信頼性の高いデータを保証するための、微生物学的サンプルの培地の取り扱いに関する、適切なコンサル
タントによって監督された包括的なCAPA
これに限定されないが、以下のような、全ての微生物学的サンプルの完全な照合を含む、妥協のない連続した保管
を保証するシステムを構築せよ:
〇各サンプルへの固有なラベルの貼付
〇サンプルを取り扱う全ての職員の署名
〇妥協のないサンプルの完全性な追跡と保管
〇各活動の日時(例:サンプル採取、移送、引き渡し、培養、インキュベータからの取り出し)
〇全てのプレートのデジタルタイムスタンプ付き写真
〇プレート上のコロニの視認性と検出性を最適化するための試験のツールおよび方法
〇微生物計数の読み取りを行う職員の署名
〇検証および定期的な品質保証の監督のための規定
・貴社のCAPAプログラムに対する独立したアセスメントと改善計画
プログラムに効果的な根本原因の分析が含まれているか、CAPAの有効性が保証されているか、調査の傾向が分析
されているか、必要に応じてCAPAプログラムが改善されているか、品質部門(QU)の最終的な意思決定権限が保証
されているか、経営陣の全面的なサポートを受けているかを評価するレポートを提供せよ。
・全てのXX製品が適切なAET試験プロトコルを使用して評価されていることと、各製剤が使用期間全体を通して適切
であることの保証を含む、貴社の抗菌効果試験(AET)プログラムの独立したレビュ
・貴社の洗浄と消毒のプログラムに関する、適切なコンサルタントによって監督された、包括的なアセスメントとCAPA
これに限定されないが、(規定された場所と頻度で適切な方法を用いた)洗浄と消毒の実施の有意義で独立した
検証と、効果的な日常的な品質保証の監督の規定を含む、安定した洗浄・消毒・全ての関連する活動の完全な検証
と照合を保証するシステムを構築せよ。
●指摘2
貴社は無菌をうたう医薬品の微生物学的汚染を防止するために設計された、適切な文書化された手順を確立して
遵守することを怠った。不履行には、全ての無菌及び滅菌工程のバリデーションも含まれる。また貴社は、医薬品の
製造、加工、包装、保管において、適切な設計、適切なサイズで、その意図した用途と洗浄・メンテナンスの作業を容易
にするために適切な場所に設置された装置を使用することを怠った。(21 CFR 211.113(b) & 21 CFR 211.63)
<指摘2詳細>
貴社は貴社の無菌処理工程を適切に設計、管理、監督することを怠った。
□不適切な無菌操作及びクリーンルームにおける行動
米国で販売されている眼科用医薬品の製造過程で、複数のロット、作業者、日付にわたって、これに限定されないが、
以下の多数の不適切な無菌操作が確認された:
・更衣した作業者が、ISO 5エリア内のXX付近に立ち、XXで曝露した開いた滅菌済みボトルを拾い上げ、廃棄せずに
ボトル供給ラインにもどしていた。
・作業者は、記録されていない介入中に、開いたボトルや重要な面の真上や直接接触させながらXXを繰り返し使用
し、曝露した容器を廃棄しなかった。
・作業者は、ロットの製造後、ISO 5エリアから部分的に使用され開いた滅菌済みXX包装部品の袋を取り外し、ISO 7
エリアに最大XXまで保管した後、内容物が滅菌状態のままであることを確実にするための適切な手順を踏まずに
次のロットに再投入した。
これらの介入は製造記録に記載されていなかった。多くの介入は、滅菌済みの開いたボトルに直接接触していたXX
やコンベアを含む装置があるXXエリアで発生していた。このエリア内でXX介入が頻繁に発生していたにも関わらず、
無菌処理ラインのXX滅菌エリアの除染(例:XX)はごくまれにしか実施されていなかった。
さらに、我々は、無菌処理の作業者の更衣に複数の欠陥を確認した。
これら及びその他の査察結果は、貴社の無菌処理作業に対する適切な監督体制が欠如していることを示していた。
□不適切な装置設計
我々は、装置の設計上の不備と、一方向気流の欠如も確認した。例えば、XXの位置が、XX内の滅菌済みXXへの一方
向気流を阻害し、滅菌済みXXの包装部品のISO 5での保護が不十分な状態となっていた。
貴社の無菌製造工程は、貴社の無菌製品への汚染リスクを防止するために設計され、作業が実行されるべきである。
クリーンルームや無菌処理ラインの設計上の欠陥あるいは無菌操作の不適切な実施は、重要な処理エリア内への
汚染物質の流入を招く可能性がある。
無菌プロセスや消毒におけるこれらの重大な逸脱は、医薬品の無菌性を保証するための無菌処理作業の不十分な
管理を示すさらなる証拠である。
貴社の回答では、貴社は、作業者の作業手順が貴社の手順と一貫して一致していなかったと述べ、作業者と直属の
監督者の両方に対する資格認定を改善する予定であると述べている。また貴社は、スモークスタディにおける不備を
認めている。これらの不備に対処するために、貴社は、無菌操作を含む貴社の作業を評価する独立したサード・パー
ティの専門家を雇うことを約束している。また貴社は、今後実施する全てのスモークスタディを適格性の評価された
中性浮力のある発煙物質を使用して実施し、一方向気流の評価結果に基づき、設計変更を含む是正処置を実施する
ことも約束している。貴社はまた、無菌製品用のISO 5 (grade A)ゾーン全体をXX除染できるよう、ベンダと協力する
ことも約束している。
貴社の回答は、確認された不適切な無菌操作の範囲と根本原因に適切に対処していないので、不十分である。
無菌操作を用いて無菌医薬品を製造する際に貴社がCGMP要件を満たすための助けとして、FDAのガイダンス文書
Sterile Drug Products Produced by Aseptic Processing—Current Good Manufacturing Practice
を見よ。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:
・これに限定されないが、以下のことを含む、貴社の無菌作業、装置、施設に関する全ての汚染の危険の包括的で
独立したリスクアセスメント:
〇ISO 5エリア内の人の全ての相互作用(例:可能な限り、XXの介入のリスク低減または排除)
〇装置の適合性(例:信頼性、能力、人間工学、配置)と、十分なクリーンルームの空間
〇ISO 5エリア及び周辺の部屋の空気質、これに限定されないが、空気量と流れ
〇施設のレイアウト
〇職員の流れと原材料の流れ(無菌作業の実施とサポートに使用される全ての部屋での移動と、全ての原材料の
移動)
〇消毒の実施と手順
〇リスクアセスメントで特定された設計及び管理における危険に包括的に対処する具体的なCAPAの提案
・汚染の危険のリスクアセスメントの結果に対処するための詳細な改善計画とタイムライン
貴社の施設における無菌処理作業の設計と管理に行われる具体的な改善について説明せよ。また、CAPAの計画
が貴社の不備のある無菌製造作業をいかに確実に改善するかについて説明せよ。貴社の無菌処理ラインと
クリーンルームの両方の設計に対する包括的な変更も説明せよ。また、貴社の広範囲に改善された作業の適格性
評価とバリデーションの計画についても説明せよ。
・これに限らないが、独立したアセスメントとそれに付随するCAPAを含む、適切な無菌操作、クリーンルームの行動、
文書化された手順の遵守を保証するための体系的な計画:
〇広範な回顧的レビュと無菌処理作業で予測される所見に基づく、実際の作業の適合性
〇生産管理における監督上の不備と、全てのロットの定期的な管理監督を保証するための具体的な改善の点の
特定
〇無菌作業とその支援業務に対するQUの監督(例:監査、特別・日々の相互作用)の頻度と深さ
〇文書化された手順と作業上の人間工学の適格性
〇不適切な無菌操作やクリーンルームでの行動が貴社の医薬品の品質と無菌性にどのような影響を与えたかに
ついても評価する必要がある。
・適格なコンサルタントの助けを借りて、無菌工程における気流の単方向性の厳密な評価を実施せよ。
スモークスタディが動的条件下で実施され、動的な相互作用と無菌的介入の影響を含む、無菌処理ラインの気流の
一方向性を徹底的かつ完全に評価せよ。これらの徹底的なスモークスタディは、貴社が貴社の無菌操作を改善した
後に、気流を適切に可視化するために中性浮力のある媒体を含む適切な手順を用いて、実施される必要がある。
・施設と装置の、定期的で厳格な運用管理監督を実施するための貴社のCAPAの計画
この計画は、とりわけ、装置/施設の性能の問題の迅速な検知、修理の効果的な実行、予防的保守スケジュールの
遵守、装置/施設のインフラストラクチャへの適時の技術的なアップグレード、生産現場の監督の強化、継続的な
マネジメントレビュのためのシステムの改善を保証する必要がある。
・貴社のQUが効果的に機能するために権限とリソースが与えられていることを保証するための包括的なアセスメント
と改善の計画
アセスメントには、これに限定されないが、以下のことを含むべきである:
〇貴社で使用されている手順が安定していて適切かどうかの判断
〇満足のいく手順と適切な業務の遵守を保証するための、貴社の作業全体のQUの監督に関する規定
〇QUがロットの処遇を判断する前の、各ロットとそれに関連する情報の完全で最終的なレビュ
〇全ての製品の同一性、濃度、品質、純度を保証するための、調査及びその他全てのQUの職務遂行の監督と承認
〇経営陣が貴社の強固な品質保証をいかにサポートするかについて述べよ。サポートには、これに限らないが、
継続的な管理状態を保証するための、新たに発生した製造/品質の問題を事前に検知し解決することを可能に
するリソースのタイムリな提供を含む。
●指摘3
貴社は、ロットがすでに出荷されたかどうかに関わらず、ロットまたはその成分が規格を満たしていない説明のつか
ない矛盾や不具合を徹底的に調査することを怠った。(21 CFR 211.192)
<指摘3詳細>
貴社は、総不良率の限界であるXX%を超過した無菌眼科用医薬品2ロットについて、制限値の100%目視検査結果を
適切に調査することを怠った。100%の完全な再検査を実施する代わりに、ロット毎にXXユニットのみが再検査され、
調査では微粒子の性質、組成、発生源は特定されなかった。両ロットとも、微粒子が内因性のものか外因性のものか
固有のものなのかを判断することなく、リリースされ米国市場に出荷された。
眼科用医薬品の作業は、微粒子汚染を防止し、患者を有害な可能性のある微粒子が目に注入されるリスクから保護
するように設計されなければならない。さらに、目視可能な微粒子を分類する際、外因性または異質の物質は、微生物
汚染の可能性を示唆する可能性があるため、特に注意を払う必要がある。直接眼に入った微生物は消費者に深刻な
リスクをもたらす可能性がある。部分的な視力喪失や失明を含む取り返しのつかない被害が発生する可能性があり、
場合によっては生命を脅かす全身感染症に進行することもある。
貴社は回答の中で、調査が不十分であったこととフーリエ変換赤外分光分析のために外部の試験機関に送付した
サンプルでは微粒子の組成や発生源を決定的に特定できなかったことを認めている。不良率の高いロットと特定の
XX容器のサプライヤとの間に統計的な相関関係が認められたものの、分析試験では微粒子の発生源は確認されな
かった。
貴社の回答は不十分である。微粒子とその発生源の特定は、貴社の最初の回答時点では依然として不確定かつ
不完全なままだった。また貴社の回答は、重大な品質不良の傾向にもかかわらず、製品を出荷した理由について説明
していなかった。
2019年以降、漏出、灼熱感や刺痛感、目の充血の悪化、視界のぼやけ、異物または“浮遊物”の報告を含む、消費者
からの多数の苦情が寄せられている。貴社は、それらの顧客からの苦情に対し、是正処置を“不要”または“該当なし”と
記録していた。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:
・逸脱、不一致、苦情、規格外(OOS)の結果、限度外(OOL)の結果、不具合の調査に関する貴社のシステム全体の
包括的で独立したアセスメント
このシステムを修正するための詳細なアクションプランを提出せよ。貴社のアクションプランには、これに限定され
ないが、調査能力、調査範囲の決定、根本原因の評価、CAPAの有効性、QUによる監督、文書化された手順の大幅
な改善を含める必要がある。調査の全ての段階が適切に実施されることを貴社がいかに保証するかについても
説明せよ。
・CGMPへの準拠を保証するための貴社の目視検査プログラムの包括的で独立したアセスメントと改善計画
アセスメントには、これに限定されないが、以下のことを含む必要がある:
〇クリティカル、メジャ、マイナな不良の定義と、各医薬品の不良の限度値の設定を含む、貴社の100%目視検査
への改善の実施
〇貴社の作業で過去に検出された微粒子を含む、目視可能な微粒子を再現性高く検出するための適切な方法、
装置、職員の資格認定の保証
〇貴社の医薬品で過去にみつかった微粒子を含む、XXの目視可能な微粒子を再現性高く検出できることを保証
するための厳格な適格性評価の研究の実施
〇検査が困難な医薬品(例:XX容器)については、必要に応じて、統計的に有意なサンプルサイズで破壊検査や
その他の高度な技術(例:XX)の導入
〇目視検査プログラムを改善するための、製品固有の知識、工程試験、逸脱の調査分析、回収/苦情データ、品質
リスクマネジメントの組み込み
〇新しい文書化手順、装置、方法の制定を含む、貴社の目視検査プログラムの改善
独立した貴社のコンサルタントによってなされたレビュのサマリと推奨事項も提出せよ。
以下は、我々のレビュで確認された違反である。念のため言うが、これは貴社の製品または作業に関連して存在する
可能性のある違反を全て網羅したリストではない。
●未承認新薬の違反
製品表示のレビュに基づくと、XX、XX、XX、XX、XX、XX、XX(総称してXX製品)は、病気の診断、治療、軽減、治療、
予防に使用することを意図し、または身体の構造や機能に影響を与えることを意図しているためFD&C Act 201(g)
(1)、21 U.S.C.321(g)(1)に該当する医薬品である。
※途中省略※
これらの未承認の新薬の州間取引への導入または納入は、FD&C Act 505(a)および301(d)、 21 U.S.C.355(a)
および331(d)に違反する。
●不正表示医薬品の違反
貴社の医薬品は、FDAの承認を受けcGMP準拠であるかのように誤解を招く文言が含まれているため、FD&C Act
502(a)に基づき不正表示である。
※途中省略※
不正表示医薬品を州間取引に導入または納入することは、FD&C Act 301(a)、 21 U.S.C.331(a)に違反する。
●データ・インテグリティの改善
貴社の品質システムは、貴社が製造した医薬品の安全性、有効性、品質を裏付けるためのデータの正確性とインテ
グリティを適切に保証していない。CGMPに従ったデータ・インテグリティの手順を制定して遵守するガイダンスに
ついては、FDAのガイダンス文書Data Integrity and Compliance With Drug CGMP : Questions and Answers
を見よ。
我々は、貴社の改善を助ける独立したサード・パーティのコンサルタントを雇うことを強く勧める。この文書の回答の中
で、以下の情報を提供せよ:
・データ、記録、報告の不正確や矛盾の範囲の包括的な調査
貴社の調査には、以下の事を含める必要がある:
〇詳細な調査のプロトコルと方法;アセスメントの対象となる全てのラボ、製造作業、システムのサマリ;貴社が
調査の除外を提案する作業の正当性
〇不正確なデータの性質、範囲、根本原因を特定するための、現在及び以前の従業員のインタビュ
我々は、これらのインタビュは、適切なサード・パーティによって実施されることを勧める。
〇貴社の施設におけるデータ・インテグリティの不備の範囲のアセスメント
省略、変更、削除、記録の破壊、非同時の記録の完成、その他の不備を特定せよ。貴社が発見したデータ・インテ
グリティの欠落している貴社施設の作業の全ての部分について説明せよ。
〇試験/製造/その他のデータのインテグリティの不備の性質に関する包括的で回顧的な評価
我々は、潜在的な違反が特定された分野の専門知識を持った適切なサード・パーティが、全てのデータ・インテ
グリティの事例を評価することを勧める。
・見つかった不備が貴社の医薬品の品質に与える潜在的な影響の現在のリスクアセスメント
貴社のアセスメントには、データ・インテグリティの欠如の影響を受けた医薬品のリリースにより引き起こされる
患者へのリスクの分析と、継続的な作業により引き起こされるリスクの分析を含めるべきである。
・全体的な是正処置・予防処置の計画の記述を含む、貴社の経営戦略
貴社の戦略には、以下の事を含む必要がある:
〇分析データ、製造記録、FDAに提出される全てのデータを含む貴社で生成する全てのデータの信頼性と網羅性を
いかに保証するつもりかについて述べた詳細な是正処置の計画
〇現在のアクションプランの範囲と深さが、調査とリスクアセスメントで見つかったものに見合っているというエビ
デンスを含む、貴社のデータ・インテグリティの欠落の根本原因の包括的な記述
データ・インテグリティの欠落の責任を持つ個人が、貴社のCGMP関連データまたは医薬品申請データに影響を
与えることが出来る状態のままかどうかを示せ。
〇顧客への通知、製品回収、追加試験の実施、安定性を保証するために貴社の安定性プログラムへのロットの
追加、医薬品申請アクション、苦情のモニタリングの強化等、医薬品の品質を保証し患者を守るために貴社が
とった、またはとろうとしている暫定的な手段
〇貴社のデータのインテグリティを保証するために設計された、手順、プロセス、方法、管理、システム、管理監督、
人的資源(例:トレーニング、職員の改善)に対する改善の取り組みと強化について述べた長期的な手段
〇貴社がデータ・インテグリティの改善のプロトコルを実行した後、CAPAの効果を評価する助けをするために
少なくとも2年間、広範囲な年次照査を実施する適切なコンサルタントを雇うというコミットメント
〇データ・インテグリティの懸念を報告する従業員から匿名の苦情を受け取る権限を持ち、その権限で潜在的な
違反を迅速に調査(必要に応じて外部機関からの専門知識と共に、独立した品質保証の機能による)することを
保証するチーフ・インテグリティ・オフィサを雇う場合はFDAに通知せよ。
〇すでに進行中または完了した上記活動に関するステイタス・レポート
●医薬品の回収
2026年7月7日、FDAは米国市場から全ての医薬品ロットの回収を勧告する電話会議を貴社と行った。2026年7月
8日、貴社は現在米国に流通している全ての医薬品の自主回収をすることに同意した。
2026年7月14日、貴社は無菌性保証の欠如により、XX、XX、XX、XX、XX、XXの全ロットの自主回収を開始した。
回収の情報はFDAのウェブサイトに掲載されている。
●医薬品の製造停止
我々は、この施設での米国市場向けの全ての医薬品の製造を停止するという貴社のコミットメントを承知した。この
文書への回答の中で、貴社が今後この施設で米国市場向けの医薬品の製造を再開する意向があるかを明確にせよ。
もし貴社がFD&C Actで規制される製造作業を再開する予定がある場合、貴社の医薬品製造作業を再開する前に
通知せよ。貴社がCGMPの活動を再開する場合、貴社は、貴社が継続的にCGMPを遵守できることを保証するために
全ての不備とシステム上の欠陥を解決するための責任を負う。貴社の当局への通知の中で、貴社が全ての是正処置・
予防処置(CAPA)を適切に完了したことを示す貴社の改善のサマリを提出せよ。
●CGMPコンサルタント
我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、もし貴社が米国市場向け医薬品の製造を再開するつもりであれば、
貴社は、貴社の作業を評価し、CGMPの要件を満たすために貴社を助けるために21 CFR 211.34に記載された適切
なコンサルタントを雇うべきである。適切なコンサルタントは、貴社がFDAと共に貴社のコンプライアンス状態の解決
を達成しようとする前に、CGMP遵守について貴社の全ての作業に関する6つのシステム(※)の包括的な監査も実施
し、是正処置・予防処置の完了と効果を評価する必要がある。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを遵守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣には、
継続的なCGMP遵守を保証するために、全ての不備とシステム上の欠陥を解決する責任が残る。
※6つのシステム:品質システム、設備&装置システム、原材料システム、製造システム、包装&ラベル貼付システム、
試験管理システム
●結論
貴社には、これらの違反の再発やその他の違反が発生しないように、違反の根本原因を調査し、今後の継続的なコン
プライアンスを保証するために是正処置および予防処置を実施する責任がある。
FDAは、貴社から米国に輸入のために提供される全ての医薬品及び医薬品製品に対し、2026年8月13日に輸入警告
措置66-40を発した。
全ての違反に完全に対応され、我々が貴社のCGMPの遵守を確認するまで、FDAは貴社の医薬品製造業者としての
新薬の申請やリストの補完の承認を保留するだろう。我々は、貴社が全ての違反に対する是正処置を完了したことを
確認するために再査察を行うかもしれない。
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今回は、ベトナムの製造所のGMP違反に関する日本の製薬会社に対するウォーニングレターでした。
モニタリング記録や洗浄記録の改ざん、無菌工程の作業や設計の不備、不具合の調査の不足など、多岐にわたる
指摘がされていましたが、特に記録の改ざんについては、“手順上の不備や個人の不正行為をはるかに超えた組織的
なデータ・インテグリティの違反”という厳しい内容でした。
