PMDA(医薬品医療機器総合機構)から『無菌試験の不適合を契機に明らかになった重大な欠陥について【前編】』と
題したGMP/GCTP調査事例速報(オレンジレター)が発行されました。
出典: https://www.pmda.go.jp/files/000282925.pdf
それによると、無菌製剤製造所で充填機を導入する際、PVロットが無菌試験で不適合となり、その原因として、充填機
のバルブ制御シーケンスの設計ミス、充填機のIQ/OQを実施した充填機メーカの確認漏れ、エアフィルタの誤装着等
が判明したそうです。
無菌試験で不適合が発生した際、安易に試験中に何らかのミスがあったのだろうと原因と決めてしまわずに根本
原因が特定できたのは、きっと徹底的な調査が行われたからなのだろうと思います。
エアフィルタの誤装着の経緯や原因については今後解説される予定とのことですが、充填機の設計ミスやIQ/OQの
確認漏れの原因は、設計思想の要求仕様書への明文化の漏れ、設計資料の漏れとそれに基づいて外部委託業者に
より行われたバリデーションにあるようです。
要求仕様書の重要性、外部委託の管理の必要性、バリデーションの重要性をあらためて実感しました。
オレンジレターの中では、本件に関するチェックポイントの1つとして、
自社の製造プロセスに合わせて開発した、PLCなどのカスタムソフトウェアを有する製造設備について、コンピュータ
化システムとしての適正な管理(開発・検証・運用)がなされているか。
ということが挙げられていて、コンピュータ化システムの適正管理が求められていました。
コンピュータ化システムの適正管理といえば、近々改訂予定のPIC/S GMP Annex11(コンピュータ化システム)の
ドラフト版では、現行のAnnex11よりもはるかに細かくシステムの管理について規定されていて、今まで以上に
システム要件(要求仕様)の重要性、要求仕様をクオリフィケーションやバリデーションの基とすること、外部委託
業者(供給者)の詳細な評価や管理について触れています。
この機会に、Annex11のドラフト版に目を通しておくのもよいかもしれません。
PIC/S GMPのAnnex11のドラフト版は、以下のサイトから確認できます。
https://picscheme.org/docview/9714
